研究課題/領域番号 |
59420014
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
超高層物理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大家 寛 東北大, 理学部, 教授 (80025931)
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研究分担者 |
高橋 忠利 東北大学, 理学部, 助手 (80004406)
森岡 昭 東北大学, 理学部, 助教授 (50004479)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
43,300千円 (直接経費: 43,300千円)
1986年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1985年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
1984年度: 30,300千円 (直接経費: 30,300千円)
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キーワード | 木星デカメータ電波 / 木星磁気圏 / 木星プラズマ圏 / 長距離干渉計 / 惑星磁気圏 / 惑星プラズマ / 木星 / イオ衛星 / デカメータ電波 / 木星極域 / 電磁現象 / テレメータ回線 / 木星電波源 / 干渉計網 |
研究概要 |
本研究では、まず木星から放射されるデカメータ電波の発生位置を木星の両極域で数1000km以内の精度で定めることを目的とする50kmベースライン干渉計網システムを開発し完成した。このシステムの精度は、位相安定性±57°となり、木星面上で1500kmの分解能を得た。また3点からなる位相干渉計であることから電波源の2次元マッピングに加えて、地球電離層のゆらぎの成分と、実際の電波源の運動とを区別することが可能となり、データの信頼性は極めて高いものとなった。 この50kmベースライン干渉計網システムを用いて木星デカメータ電波の観測が行なわれ、数多くのデータについて高時間分解能・高位置分解能でその電波源の2次元マッピングを行った。その結果これまで全く報告されていなかった木星電波源のダイナミックスにかかわる新しい事実が明らかになった。 1)IO-A電波源は南半球極域にのみ出限する。 2)IO-B電波源は南北両半球で出現する。両半球での活動は数分で入れ替るような事象が存在する。 3)IO-C電波源も南北両半球に電波源をもつ。この電波源もみかけ上南北半球で交互にその放射強度が切り替る特徴をもつ。これらの結果は、Io衛星近傍に生じる電磁的擾乱が木星の南北両極域に流入する様子を示したものである。 また偏波の観測と電波源位置観測とを同時に行い、木星デカメータ波の放射波動モードの決定がはじめて行なわれた。その結果木星デカメータ電波は南北いずれの極域から放射されるものも、L-Oモードであるという結論を得た。観測の上から直接的に木星電波の放射モードを決定したことは極めて画期的なことである。またこの観測事実から、木星デカメータ電波の放射メカニズムは、モード変換理論に従っている事を強く支持したことになる。
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