研究概要 |
本研究は、機械製品の設計,生産,管理を一貫した総合システムとして把握し、その統合化,省力化,自動化のための方法論を確立するとともに、その知能化について検討したもので、当初の計画通りの成果をあげることができた。主な研究成果は以下の通りである。 1.設計・生産・管理プロセスにおける知識の役割の分析 機械製品の設計,生産および管理における情報処理プロセスを分析し、そこで必要な知識情報を整理した。また、人工知能ベースCAD/CAM/CAPシステムの基本構成を確立した。 2.機械製品のモデリングシステムの開発 CAD/CAM/CAP一貫処理システムを実現するうえで共通のデータベースとなる機械製品のモデリングシステムを開発した。このシステムにより、製品の幾何情報のみならず、生産情報処理に不可欠の材質,精度などの技術情報のモデリングが可能となった。 3.手書き彩色図面入力システムの開発 2.で開発した製品モデルの作成を容易に行うため、人間のパターン認識能力を分析し、手書き彩色図面から直接部品情報を入力し、そのモデルを構築するシステムの開発を行った。 4.製品の3次元運動シミュレーションシステムの開発 機械製品の性能,機能の評価,および組立工程設計の自動化,省力化を目的として、製品モデルに基づく幾何学的,力学的運動シミュレーションシステムの開発を行った。 5.工程設計用知識ベースシステムの開発 製品モデルより工程情報を作成する創成型工程設計システムを開発した。また、工程設計者の経験則やノウハウなどの知識情報の取扱いについて検討し、工程設計用知識ベースシステムを提案し、工程設計システムと統合した。
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