研究課題/領域番号 |
59420027
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電力工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
増田 閃一 東大, 工学部, 教授 (40010615)
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研究分担者 |
ITAGAKI Toshifumi Technical Official, Faculty of Engineering, University of Tokyo (60242012)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
36,000千円 (直接経費: 36,000千円)
1986年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1985年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1984年度: 20,000千円 (直接経費: 20,000千円)
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キーワード | 電子ビーム / 脱硫 / 脱硝 / ドースエンハンスメント / 高電圧パルス / コロナ放電 / 電気集麈 |
研究概要 |
NOを含むガス中でコロナ放電を起こさせるとNOが酸化されることはよく知られており、これを乾式排煙脱硝法の一つとして用いることができる。この方法では、放電により酸素からオゾンが生成され、これがNOを酸化すると考えられている。本研究においては、立ち上がりの急峻なサブマイクロセカンド高電圧パレスによるコロナ放電を用い、乾式排煙脱硝法における脱硝効率を上昇させる実験を行なうと同時に、脱硫の可能性についても調べた。まず電子ビーム照射にパルス印加を併用した場合、脱硝反応が促進されることがわかったが、これはコロナ放電の効果によるもので、電子ビームを用いなくてもパルス電圧を十分高くすれば同様の効果が得られる見通しを得た。そこでピーク値60kv以上の正極性サブマイクロセカンドパルスの印加のみによる脱硝実験を行なったところ、ガス滞留時間10秒以内で完全にNOを酸化することができた。負極性パルスを印加した場合は、正極性パルスの場合に比べてストリーマの伸長が小さいので、より高い電圧が必要となり、ピーク値-80kv以上でガス中に水分を含んでいるとき滞留時間を25秒とれば【NO_x】の除去が可能になることが確認された。しかし実用上この滞留時間は大きすぎるので、電気集麈装置に本方法を適用する場合のように負極性パルスを用いる必要がある場合には、繰り返し周波数を上げることにより滞留時間を短縮するのがよいと思われる。また、ガス温度が高い場合には火花放電が起きやすくなるので、波高値の大きいパルスを印加するためには、パルス幅をできるだけ小さくする必要が生じる。コロナ放電による【SO_2】の酸化は、正極性パルスを印加した場合のみ可能であったが、その場合の脱硫率は大きくはなかった。以上の結果から、サブマイクロセカンドパルスによる脱硝が可能であることが明らかになり、また、正極性のパルスを用いればある程度の脱硫効果も得られることが明らかになった。
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