配分額 *注記 |
22,700千円 (直接経費: 22,700千円)
1986年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1985年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
1984年度: 11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,(1)超電導電力貯蔵(SMES)システムとそれを接続する模擬電力系統を開発し,SMGSによる電力系統安定化特性について実験的研究を行なうこと,(2)SMESを模擬電力系統に実装することによりSMESの実系統設置時の課題を明快に提示すること,すなわち発電機および負荷を含む電力系統にSMESが接続されたために系統全体に及ぼす影響,系統短絡にともなうSMESの異常動作,SMESによって発生する高調波とその抑制・除去,SMESの制御に附属する制御装置,検出装置・方式・位置などの開発を実験的に特性を確認して進めること,であった。 得られた結果は次の通りである。 (1)電力系統に接続するSMESシステムとして,0.5MJ超電導マグネット,GTO電力変換装置およびその直接デイジタル制御システム,高調波除去用アクティブフィルタを開発した。 (2)長距離大容量送電系統(500KV/2000MVA/280km)の模擬送電系統(460V/70KVA)を開発し,その周波数特性は数Hz〜1,000Hzの幣域で一致することを実験的に確認した。これにより系統の動揺特性・高周波特性を実験的に研究することが可能である。また1,000MVA/1800RRMのタービン発電機を模擬する同期機を開発した。 (3)以上に開発したシステムについてSMESによる安定化特性を実験した。三相短絡後の系統の動揺をSMESの充放電にともなう有効・無効電力によって抑制し安定化できることを確かめ,またSMESによって安定反が増大し,安定に送電可能な電力が約1.6倍増加できることを明らかにした。これらの結果はシミュレーション解析とよく一致している。さらにSMESの最適設置点,アクティブフィルタ用検出方式,SMESと発電機の協調制御,SMES接続にともなう無効電力増加の影響などは本研究による実験によって始めて得られた成果である。
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