研究課題/領域番号 |
59420029
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岩崎 俊一 東北大学, 電通研, 教授 (80006212)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
32,900千円 (直接経費: 32,900千円)
1985年度: 12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
1984年度: 20,400千円 (直接経費: 20,400千円)
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キーワード | 垂直磁気記録 / 垂直磁気記録媒体 / 二層膜媒体 / Co-Cr垂直異方性膜 / マグネトロンスパッタ法 / 高速・連続スパッタ法 |
研究概要 |
垂直磁気記録に用いる記録媒体の高速作成に関し、二層膜媒体の設計法、その高速・連続作成法と物性の研究、および作成した媒体の性能評価などの基礎的研究を行い、以下の成果を得た。 1.Co-Cr垂直異方性膜を用いた二層膜媒体の記録層の設計に関し、理論的および実験的に検討した結果、ヘッド主磁極の磁界分布を急峻にして記録再生の密度を高め、かつ記録・再生の感度も向上させるには最適の膜厚が存在し、フレキシブルディスク媒体としては0.2μm程度とし、飽和磁化は700emu/cc程度とすれば良いなどのことが分かった。また裏打ち軟磁性層の検討を行い、その上の記録層の結晶配向性の確保や軟磁気特性と厚みに関して電磁変換特性の上でも高い性能を発揮するよう設計することができ、媒体設計法の基礎を確立できた。 2.垂直記録媒体の高速・連続に作成するスパッタ装置を試作し、マグネトロンスパッタ法による成膜条件を検討した結果、所望の高性能媒体が堆積速度1μm/分、成膜速度6m/時間で高速・連続作成できることを示した。これは従来のパッチ式の場合の100倍の生産速度である。高速になるほど結晶配向等、膜物性もより改善されるので、さらにこの10倍以上の速度の実現も可能である見通しも得ている。 3.スパッタ中の窒素ガスや水分の充分な除去が結晶性に優れ高い垂直異方性を得るための必要な条件であり、また基板に用いる有機フィルムの疵、汚れなどは異常な析出物の原因となり、ヘッド媒体間のスペーシングをもたらすのでこれらを極力抑える必要があることなどが分かった。これらを考慮して作成した二層膜媒体はスペーシング量500Å以下の現在技術の最高水準に達し、10万ビット/インチの記録密度で30dB以上のオーバライト、S/N比45dB以上を得た。以上初期の目的に沿って研究を進め、媒体品質を改善した上で、高速・連続作成が可能になり、将来の量産技術の基礎になる研究成果が得られている。
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