研究課題/領域番号 |
59420034
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土木構造
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片山 恒雄 東京大学, 生技研, 教授 (70013216)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
1985年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1984年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | 地震 / 地震動 / 地震計アレー / 変位型地震計 / 速度型地震計 |
研究概要 |
本研究は、工学的な重要性が高いにもかかわらず従来ほとんど実証的な検討のなされていない、数百m離れた地点間の地震動の距離相関特性に関する基礎的な情報を得ることを目的としている。このために次の2つの観測システムを構築した。(1)従来から観測を続けてきた高密度地震計アレーに4地点8台の3成分加速度地震計を追加し、地上・地下44台132成分の同時観測によるアレー・ネットワークを構築した。(2)気象庁1倍強震計およびダイナミック・レンジの広い速度型地震計をアレーに用いているものと同型の加速度地震計と同じ場所に設置して観測を開始した。 2つの観測システムが完全に稼動し始めてからまだ3か月あまりにすぎず、地震動特性の解析は予備的なものにすぎないが、今までの記録から得られた知見をまとめれば次のようである。 (1)1倍強震計の変位記録を同地点の加速度地震計の記録と比較検討した結果、地震動の周期成分を2〜13秒程度に限ると、両者は良く一致しており、加速度記録の積分による変位波形の信頼性も高いことが分かった。(2)速度型地震計の記録を同地点の加速度地震計記録から求めた速度と比較した結果、少なくとも0.25Hz以上については、両者の一致度が満足できるものであることが分かった。(3)アレー・ネットワークで得られた記録によると、300mの大きさの三角形の頂点と辺中点の6地点の地表における最大加速度は、変動係数にして約20%のばらつきを示すこと、地中ではそのばらつきが小さくなることが分かった。観測地域は地形も平坦で地層構造も一様と考えられ、それでも最大加速度の変動係数が20%程度あるということは、今後の距離相関特性の検討に示唆するところが多い。 観測体制は予定どおり完成したものの、十分な地震記録を得るには至らず、地震記録の蓄積と解析は今後の課題として残された。
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