研究課題/領域番号 |
59420035
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築構造・材料
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
六車 煕 京都大学, 工, 教授 (30025829)
|
研究期間 (年度) |
1984 – 1985
|
研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
|
配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
1985年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1984年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
|
キーワード | コンクリート / コンクリート部材 / 水中疲労 / 低サイクル疲労 / AE計測 / 生存確率 |
研究概要 |
水中におけるコンクリート系構造部材の低サイクル疲労性状を把握し、コンクリート系海洋もしくは河川構造物の各種低サイクル疲労荷重に対する合理的な設計理念を確立することを目的として実施された成果は以下の通りである。 1.部材の構成材料の一つであるコンクリート自身の圧縮応力下での低サイクル疲労強度は、水の存在によって大きく感じられる。この減少の度合いは、密実な高強度コンクリート程小さく、水セメント比が26%程度の超高強度コンクリートではほとんど認められない。また、疲労試験時に合わせて実施されたマルチチャンネルAE計測結果より、外部からの水の侵入および侵入水のクサビ作用等により、コンクリート表面近くの限られた部分に疲労損傷が集中し、これが水中におけるコンクリートの圧縮疲労強度劣化の原因であることが判明した。さらに、得られた実験結果の統計処理により、生存確率を考慮したウェーラー曲線を提案した。 2.コンクリート系構造部材の片振り低サイクル曲げ疲労強度は、水の存在によって大きく減じられる。その原因は、空隙の多い低強度コンクリートを用いた場合には圧縮域コンクリート自身の疲労強度劣化であり、密実な高強度コンクリートを用いた場合には曲げひびわれ中に浸入し減力時に閉込められた水のクサビ作用が主となる。 両振り曲げ応力を受ける部材においても、片振り同様水中での低サイクル疲労強度は大きく劣化するが、その原因としては上記の2つの他、さらに、主筋に沿った付着ひびわれ中に侵入した水のクサビ作用によりカブリコンクリートが割り裂かれる現象が付加される。 よって、たとえカブリコンクリートが剥離しても主筋の座屈を防止し得る十分な横補強筋を配置しておくことが要求される。
|