研究課題/領域番号 |
59420037
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
資源開発工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
寺田 孚 京都大学, 工, 教授 (40025862)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
21,300千円 (直接経費: 21,300千円)
1985年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1984年度: 18,300千円 (直接経費: 18,300千円)
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キーワード | AE / 破壊の予知 / ダイラタンシーの局所化 / AE震源決定 |
研究概要 |
地下資源の開発やトンネル、地下備蓄庫などの設計,施工,維持にあたって、開削された空洞周辺の岩盤内にき裂が発生したり、潜在き裂が伸展して空洞の安全な維持が困難となる場合がしばしば生じる。本研究ではアコースティック・エミッション(AEと略称)を利用して、岩盤内のき裂の発達状況を評価し、鉱柱や岩盤内のき裂が安定な状態にあるか、不安定な状態に向っているかを診断する方法を確立することを目的とした実験を行った。 まず、9つのセンサーによって岩石内に発生するAEをとらえ、到着時間差からその震源位置を決定するソースロケーションのアルゴリズムを開発した。ついで、一軸圧縮荷重による大島花崗岩試料のクリープ下における微小き裂の時間的空間的発達状況すなわちダイラタンシーの局所化する状況をAEソースロケーション法によって調べた。 その結果、クリープ応力設定のための載荷時には全くランダムに発生していたAE震源点が、クリープが始まると試料の側面近傍の2・3の領域に移動、集中し始めた。さらに、1次クリープの終り頃になると、これらの集中領域の一つにAEが集中して発生するようになり、他の集中領域ではAEの発生が徐々におとろえていった。クリープ破壊を生じる直前では、最後に残った集中領域でAEの発生が加速的に著しくなり、この附近から巨視的破壊が生じた。この集中領域は荷重軸に平行な長軸をもつ回転楕円体の形をしていた。一方、試料側面に多く接着された抵抗線ひずみゲージにより、実験中における表面ひずみのマッピングが行われた。AEのソースロケーションによるダイラタンシーの局所化は、このひずみマッピングの結果ともよく一致していることがわかり、不安定破壊の予知に有効な情報をあたえていることがわかった。また、クリープの初期にみられたAE発生の試料表面近傍への移動現象は応力腐蝕の理論によってよく説明される。
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