研究課題/領域番号 |
59420043
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業土木
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡 太郎 京大, 防災研究所, 助教授 (90027243)
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研究分担者 |
田中丸 治哉 京都大学, 防災研究所, 助手 (80171809)
増本 隆夫 京都大学, 防災研究所, 助手 (80165729)
光田 寧 京都大学, 防災研究所, 教授 (90027219)
角屋 睦 京都大学, 防災研究所, 教授 (00027210)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
26,200千円 (直接経費: 26,200千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1985年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1984年度: 21,200千円 (直接経費: 21,200千円)
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キーワード | 水循環 / 雨水流出 / 土壌水分 / 蒸発 / ライシメータ / 土壌間隙 / 浸透能 / 水収支 / 蒸発量 / 渦相関法 / 熱収支法 / マクロポアーズ |
研究概要 |
自然流域の直接流出過程の解明とそのモデル化はかなり進展した。しかし、雨水の表面流出成分と土中浸透成分の分離、地表面からの蒸発損失,土壌水分の再配分及び地下水流出等のいわゆる水循環の素過程についてはほとんど未解明の状態にあり、水文学上の盲点となっている。この盲点を解決するためには、蒸発散過程、土壌水分の消長及びそれらの相互関係などを究明することが先決である。 本研究では、二連の小型傾斜ライシメータを設置するとともに既存の大型ライシメータの観測機器を整備充実して、自然の降雨・蒸発条件下で水文観測を行い、裸地斜面域の雨水流出過程について基礎的な研究を行った。とくに、気象学で研究が進められている蒸発散の計測法を導入して、裸地斜面よりの蒸発量を測定したのち、蒸発量と土壌水分量との関係、土壌水流動解析への適用上の問題点及びその簡易法について検討を加えた。また傾斜ライシメータの充填土について土壌物理試験、不飽和浸透流理論における諸係数の測定を行ったのち、土壌水流動解析を行い土壌水分と表面流発生機構及び土壌水分の再配分と地下水流出機構との関連性などを理論的に究明した。 次に、竹林において人工降雨型式の浸透能試験を行うとともに、土壌中の間隙調査を行い、自然丘陵地の雨水浸透現象の実態を明らかにすることを試みた。加えて、これらの現地調査結果に基づいて、土層中に大間隙がある場合の雨水浸透モデルについて検討を加えた。その結果より、自然丘陵地斜面の浸透能は現地の土壌特性から判断して過大な値を示し、またそれが土壌中に存在する大間隙に起因する現象であることが明らかになった。また、土壌中の大間隙はfine-macroporesとcoarse macroporesに分けられ、前者は透水係数を1桁程度大きくし、後者は浸透量を増大させ、地下水流出を速めることなどが明らかになった。
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