研究課題/領域番号 |
59430002
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学一般
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
林 久治 理研, その他, 研究員 (50087508)
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研究分担者 |
阿部 晴雄 理化学研究所, 理論有機化学研究室, 研究員 (80142917)
坂口 喜生 理化学研究所, 理論有機化学研究室, 研究員 (30167423)
中村 淳子 理化学研究所, 理論有機化学研究室, 研究員 (30087506)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
21,800千円 (直接経費: 21,800千円)
1986年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1985年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1984年度: 14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
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キーワード | 磁場効果 / ラジカル対 / 二硫化炭素 / 過渡吸収 / けい光 / 燃焼反応 / ピコ秒レーザー / CIDEP / 励起分子 / 外部磁場効果 / ミセル / カルボニル / キサントン / シクロヘキサジエニル型ラジカル / 一酸化窒素 / 化学発光 / レーザー励起けい光 / ピリミジン / 回転緩和 |
研究概要 |
1.ミセル中のラジカル対の再結合速度に対する我々の見出した大きな磁場効果と磁気同位体効果の原因を過渡吸収法のみならずCIDEP法をも用いて研究した。その結果、アルキルラジカルの存在を確認し、CIDEP信号強度の減衰速度は過渡吸収法で得られたラジカル対の減衰速度と一致していた。また、ランタノイドイオンを添加すると、常磁性イオンの内部磁場効果が現れ、ラジカル対の再結合速度が促進された。これらの実験より、我々が理論的に提出した緩和機構が有効に作用していることが実証された。 2.二硫化炭素気体のけい光に対する磁場消光の機構を解明する目的で、ナノ秒色素レーザーを用いて、発光励起スペクトルを測定した。その強度は磁場強度の増大に伴い、スペクトル的に一様に減少した。次に、ピコ秒色素レーザーを用いて6V帯を励起して発光寿命を測定すると、ピコ秒とナノ秒の成分があり、磁場によりピコ秒の成分の寿命は短くなるがナノ秒成分の寿命は変化しなかった。これらの実験より、光励起直後の分子内エネルギー緩和が磁場により促進されることが本磁場効果の原因であることが分かった。 3.新しい磁場効果を検出する目的で、気相放電反応に対する磁場効果測定装置を製作し、燃焼反応において重要なNO,OH,CHの生成反応に対する顕著な磁場効果を見出した。また、溶液中のラジカル対を経る反応の磁場効果を重原子の反応に拡張することを試み、硫黄を含むラジカルの反応にかなり大きい磁場効果があることを見出した。 4.予想外の成果としては、カルボニル分子の光還元反応においてシワロヘキサジエニル型やベンジル型ラジカルが生成することを発見し、その反応機構を解明した。また、ミセル中のラジカル対のCIDEPスペクトルにおいて、従来の理論では説明できない異常位相を発見した。
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