研究課題/領域番号 |
59430023
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
米光 宰 北海道大学, 薬学部, 教授 (60001038)
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研究分担者 |
堀田 清 北海道大学, 薬学部, 助手 (50181540)
浜田 辰夫 北海道大学, 薬学部, 助教授 (40001979)
池田 一芳 北海道大学, 機器分析センター, 助教授 (20001042)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
34,000千円 (直接経費: 34,000千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1985年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1984年度: 26,400千円 (直接経費: 26,400千円)
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キーワード | マクロリド抗生物質 / ポリエーテル抗生物質 / 糖類 / 全合成 / 立体選択的反応 / 立体制御 / 保護基 / 高立体選択的合成反応 / トシルアミド / アミノ保護基 / 光脱離性保護基 / 水酸保護基 / DDQ酸化 |
研究概要 |
天然資源に乏しい我国の将来にとって、付加価値の高い医薬の創製など、知識集約型産業の育成が重要である。その基礎を支える現代精密有機合成化学は、石油を原料として極めて高いレベルに発展し、官能基,位置,立体などにつき高い選択性を有すると同時に、一般性の高い反応が次々と開発され、複雑な構造をもつ天然物などの高付加価値化合物の合成も可能になってきている。しかし将来のため、石油以外を原料とする新しい有機合成化学の確立が現在極めて重要である。 我々はこのような視点の研究の一つとして、自然界に大量に存在し短期で再生可能な糖類、とくにD-グルコースを原料とし、高い選択性と一般性をもった新保護基、新反応を開発しつつ、一連の複雑な構造を有する代表的なマクロリド(アグリコン)、ポリエーテル抗生物質の合成研究を行ってきた。これら多様な抗生物質を個別的に合成するのではなく、基本的共通点をとらえ、新しい共通の合成化学的方法論を確立しながら同時に全合成研究を進めてきた。その特色は次の3点にある。1)D-グルコースの4位に着目し、3、5位の不斉中心を環状・非環状立体制御により任意にかえ種々の3連続不斉中心を作る。2)新たな不斉中心構築に当り選択率を可及的に100%に近ずける。3)新しい保護基、MPMなどの活用により従来にない合理的合成法を展開する。本研究により現在までにえられた主な成果は、MPM、DMPMなどの水酸基の新しいベンジル型保護基の確立、置換テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン環の立体選択的合成法の開発、高立体選択的全合成としては、マクロリド系では12員環のメチノリド、14員環のピクロノリド、エリスロノリドA、16員環のタイロノリドが完了し、またポリエーテル系ではサリノマイシの全合成が完了し、イソラサロシドAの合成も最終段階にある。
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