研究課題/領域番号 |
59430026
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子遺伝学・分子生理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三浦 謹一郎 東京大学, 工学部, 教授 (30000227)
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研究分担者 |
平尾 一郎 東京大学, 工学部, 助手 (50173216)
熊谷 泉 東京大学, 工学部, 助手 (10161689)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
30,500千円 (直接経費: 30,500千円)
1986年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1985年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1984年度: 20,600千円 (直接経費: 20,600千円)
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キーワード | タンパク質合成 / メッセンジャーRNA(mRNA) / リボソーム / 遺伝子の情報発現 / 真核細胞 / 遺伝情報発現の調節 / タンパク貭合成 |
研究概要 |
細胞内でのタンパク質合成が翻訳段階においてもメッセンジャーRNA(mRNA)の構造、とくに5′末端寄りの先導配列部分の構造によって合成効率が左右されることを示したが、構造と効率の具体的関係を明らかにするために先導配列部分を合成して活性の変化を追うことにした。このため、オリゴヌクレオチドの化学合成を合成法の検討を含めて実施した。塩基部分の副反応をできるでけ押さえて、糠の余分の水酸基の保護基の脱着をスムースに行わせるための方法を考察した。真核生物mRNAの5′端にはキャップ構造をつける必要があり、オリゴヌクレオチドに対してキャップ化する方法も検討した。タンパク質合成の開始信号コドンAーUーGや、これに直接キャッピングしたもの、また、開始コドンにはなり得ないコドンGーUーCにはキャッピングしたもの、キャップとAーUーGの間に約10塩基ほどの先導配列を結合させたものなどを調製し、末端部を〔^<32>P〕pCpによりラベルしたのち、in Vitroのタクパク質合成系により、タンパク質合成開始複合体の形成効率を調べた。 ここに得られた結果は前年度までに得られていたmRNA自体を用いた実験の結果と矛盾することなく、真核細胞mRNA構造中の各部の役割を明確にすることができた。ここに得られた結論は次のようにまとめられる。 真核細胞系mRNAでは開始コドンAーUーGだけでもタンパク質合成を開始しうるが、5′端キャップ構造をかぶせることにより、その効率を10倍のオーダー高めることができる。開始コドンでないと、いくらキャップをかぶせてもリボソームと開始複合体を形成し得ない。キャップと開始コドンの中に入る先導配列によっては開始コドンに直接キャップをかぶせた場合よりも開始複合体のでき方がさらによくなる場合がある。
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