研究課題/領域番号 |
59440006
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
層位・古生物学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
池谷 仙之 静岡大学, 理, 助教授 (50022223)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
20,200千円 (直接経費: 20,200千円)
1985年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1984年度: 19,000千円 (直接経費: 19,000千円)
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キーワード | 介形虫 / 形態解析 / 感覚子孔 / 形質評価 / 形態要素 / 種分化 |
研究概要 |
介形虫類の殻に現われる各種の一般装飾に加えて、眼の円形小突起、多数の感覚子孔や分泌孔、蝶番、筋痕は機能上重要な意義を持ち、介形虫分類の基本単位となり得る。本研究はこれらの微細構造の観察に基づき、各々の形態要素が持つ生物学的意味を明らかにする。また、それらの各形態をコンピューターのパターン認識から、その機能を考慮した形質評価を行って、介形虫類の新しい分類体系を確立することである。更に、この新しい分類体系に基づき、介形虫の種分化の機構をも解明しようとするものである。研究は次の様な経過でなされた。 1.形態解析のためのコンピューター(ルーゼックス【II】)をニレコKKの協力のもとに新しく開発することから始めた。 2.形態解析のための基礎的作業を静岡大学・増田俊明助手の協力のもとに変成岩中の石英粒を用いて行った。 3.次に主として、Cytheromorpha,Cythere属を材料として、殻表面上の網目装飾の粗・細の程度と殻に垂直に貫通する多数の感覚子孔の数とその分布パターンを個体発生レベルで統計的に調べた。 (1)Cytheromorpha属に現われる網目装飾の幅広い変異は種内でも生じており、生育時の水温と密接な関係を持つことが明らかになった。 (2)Cythere属における感覚子孔の数とその分布パターンは種レベルで非常に安定した形質であることが判明した。即ち、同一種内での孔の総数の"変動量"は"5"以内であり、その分布パターンは種ごとにはっきりとした特徴を有する。 4.以上の分類要素を用いて、世界中の化石および現生の同属種を再分類して、それらの系統関係を考察した。その結果、Cythere属は5つの系統に分けられ、中新世から現在にかけての種分化の過程が追跡された。以上の結果は個々に研究論文として公表され、また、今後発表すべく準備されている。
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