研究課題/領域番号 |
59440016
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
田中 克英 岐阜大学, 農, 教授 (20021678)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1985年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1984年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | ニワトリ / 腺性下垂体 / 性腺刺激ホルモン / プロジェステロン・レセプター / エストロジェン・レセプター / 神経アミン / オピエート・ペプチド |
研究概要 |
鳥類の腺性下垂体細胞における性腺刺激ホルモンの生産分泌の調節機構を解明するため、鶏の腺性下垂体のLHの生産分泌に対する卵巣ステロイドホルモン、特にエストラジオール及びプロジェステロンの作用について明らかにするとともに、近年注目を集めているオピエート・ペプチド、神経アミンの作用について明らかにしようとした。 その結果、鶏の腺性下垂体細胞に存在するプロジェステロン・レセプターはエストラジオールの作用によって増量し、これによってプロジェステロンの作用が発現し、腺性下垂体細胞のLH生産が高められることが明らかになった。また、腺性下垂体細胞にはエストロジェンのレセプターも存在することが明らかにされ、プロジェステロンもエストロジェンもともにそれぞれのレセプターを介して直接又は間接に腺性下垂体細胞のLH生産に関与することが明らかとなった。 腺性下垂体細胞のLHの放出は視床下部による神経体液的支配を受けるが、このLH放出機構には促進的制御機構の他に抑制的制御機構も存在することも明らかとなった。すなわち、その抑制的制御機構には神経アミンの1つであるセロトニンと神経ペプチドの1つでオピエート・ペプチドに属するβ・エンドルフィンとによって営まれていることが明らかとなった。この場合、抑制的制御の主導権を握るものはセロトニンであること、β・エンドルフィンは副次的役割を演ずることも明らかにされた。また、ドパミン、アドレナリン、ノルアドレナリン、メラトニンはいずれも抑制的制御機構には関与せず、メチオニン・エンケファリンやVIPも関与しないのであろうと推察された。従って、セロトニンとβ・エンドルフィンとが鳥類の腺性下垂体のLH放出の制御に特に重要な役割を演じているものと決論された。
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