研究課題/領域番号 |
59440017
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
鈴木 直義 帯広畜産大, 畜産学部, 教授 (10003071)
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研究分担者 |
佐藤 基佳 帯広畜産大学, 畜産学部獣医放射線学講座, 講師 (50003140)
三上 正幸 帯広畜産大学, 畜産学部肉畜保蔵学講座, 助教授 (40003107)
斎藤 篤志 帯広畜産大学, 畜産学部家畜生理学講座, 助教授 (10002263)
三浦 弘之 帯広畜産大学, 畜産学部肉畜保蔵学講座, 教授 (90003079)
広瀬 恒夫 帯広畜産大学, 畜産学部獣医放射線学講座, 教授 (60003076)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
25,500千円 (直接経費: 25,500千円)
1986年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1985年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1984年度: 15,500千円 (直接経費: 15,500千円)
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キーワード | 原虫長期連続培養 / トキソプラズマ / バベシア / プラスモジウム / タイレリア / 免疫賦活物質 / TLA / 免疫調整物質 / オビオアクチン / BRM / 組織培養 / モジュレーター |
研究概要 |
トキソプラズマ原虫由来の溶解抗原成分は、マラリア,バベシア,タイレユアなどの原虫感染宿主に対し強い抵抗性を賦与し、生体内にはインターフエロン,マクロファージ活性化因子などのリンホカインを産生することが明らかになった。このようにトキソプラズマ溶解抗原(TLA)は非特異的免疫賦活物質としての作用を有するが、大量に、そして純粋なTLAを採取するためには、無菌的かつ長期間の培養槽による連続大量培養法の確立が本研究期間の最重要課題であった。諸種試行錯誤のくり返しの結果として、世界で最初に細胞浮遊培養による長期連続培養法の開発に成功し、国の内外に公表した。成功の基盤は浮遊細胞増殖とトキソプラズマ原虫の細胞内分裂の時間的相関、ならびに細胞培養液の新鮮度が常に一定度に維持されることの制御をコンピューターによって調節されることであった。勿論、今回の成功は実験的なものであり、今後幾多の改良および修正によってのみ細胞内寄生虫の培養槽内長期連続培養が完全に自動化される可能性を有すると考えられる。 ついで、in vivoおよびin vitroにおける諸種原虫感染および同種可移植腫瘍などを用いて、TLA感作による宿主生体の防御機構について基礎的検討をおこなった。その結果のなかでも、TLA感作によって胸腺および脾臓内にThy-1陽性細胞が増化し、その主体がヘルパーT-リンパ球であることが明らかになった。興味あることに原虫感染に伴って宿主体内胸腺細胞は減少するが、TLA感作マウスの末梢循環血液、脾臓および肝臓内にThy-1陽性細胞が増加し、とくに肝臓において著しい。肝臓内Thy-1陽性細胞は囲管性に集族し、いわゆるヘルパーT-リンパ球およびリンホカイン産生T-リンパ球の増加が観察されている。今回までの実験成績から、TLAはBRMとして強く生体に免疫賦活効果を与え、ヘルパーT-リンパ球の活性化ならびにリンホカインを産生することがわかった。
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