研究課題/領域番号 |
59440024
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
酒井 敏夫 東京慈恵会医科大学, 医, 教授 (20056435)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1985年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1984年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
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キーワード | 骨格筋 / 細胞内Ca / 急冷拘縮 / エクオリン / プロカイン |
研究概要 |
骨格筋の収縮-弛緩機構は細胞内遊離Ca濃度により制御されていることが明らかになりつつあるが、収縮-弛緩過程における細胞内遊離Caと収縮-弛緩の関係を時間的、空間的に明らかにすることを計画した。細胞内遊離Caの測定には、クラゲから抽出した発光タンパク、エクオリンを細胞内に注入して、発光を光電子増倍管により検出し、張力と同時記録した。収縮の誘起には、電気刺激による方法、カフェイン処理筋の液温を急速に低下させて生じる急冷拘縮の2つの方法を用いた。電気刺激による強縮発生時には細胞内遊離Caは6-8μM(40Hz)に達っし、トロポニン、パルブアルブミンのCa結合部位はほとんど飽和していると考えられた。一方、低濃度カフェイン処理により細胞内遊離Ca濃度は上昇するが張力発生閾濃度以下で、急速冷却により張力は最大に達っする。張力発生に必要なCaの閾濃度は約1.4μMであった。急冷拘縮が最大に達する時にはCaは約3.1μMであった。急速冷却時には3相にわたるCaの動態が観察され、張力との間に対応がみられないCa濃度変化があったので、細胞内Ca濃度は一様に変化するのではなく、局在を明らかにする必要があると考えられた。他方、カフェイン処理時の細胞内Ca濃度上昇はプロカインで抑制されたので、ごく低濃度の遊離Caが存在していても、カフェインによりCa誘発性Ca遊離が生じるか、カフェインが小胞体からのCa遊離をまず最初に誘起するのか2つの可能性が考えられた。【K^+】濃度の上昇、【No_3^-】によっても細胞内Caの上昇を観察し、このCa濃度上昇がプロカインで抑制されるといわれているのでCa誘発性Ca遊離の閾濃度を再考する必要があると思われる。細胞内Caの局在はエクオリン注入筋、または7-3-2負荷筋を用い、イメージインテンシィファイヤーにより検出が期待できるところにまで準備ができた。
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