研究課題/領域番号 |
59440038
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
鬼頭 昭三 広島大, 医学部, 教授 (00010140)
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研究分担者 |
松林 弘明 広島大学, 医学部, 助手 (60165850)
下山 政憲 広島大学, 医学部附属病院, 助手 (60136067)
稲垣 忍 広島大学, 医学部, 講師 (90151571)
山村 安弘 広島大学, 医学部附属病院, 講師 (10106388)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
26,500千円 (直接経費: 26,500千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1985年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1984年度: 20,500千円 (直接経費: 20,500千円)
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キーワード | 神経伝達物質受容体 / Autoradiography / 変性性神経疾患剖検脳 / 個体発生 / 受容体結合実験 / 神経可塑性 / autoradiography / 個体発生学的変化 |
研究概要 |
近年、複数の神経活性物質が1つの神経細胞に存在することが明らかになると共に、神経細胞は環境の変化により他の伝達物質を産生しうるようになることが明らかにされ、より広義の立場での神経可塑性の研究は新しい局面を向かえている。一方、変性性神経疾患の発症に神経可塑性が関与するという報告もあり、神経活性物質及びその受容体の可塑性の研究は神経疾患の病態の機序を探る手がかりになると考えられる。私共は、ヒト剖検脳及び実験動物脳を用い各種神経伝達物質受容体の分布を観察し、個体発生過程における神経細胞の可塑性と変性性神経疾患の発生機序との関連について総合的に解析することを目的として実験を進めた。ラット脳におけるsubstanceP受容体、muscarinic acetylcholine receptors(mAChR)、calcitonin gene-related peptide(CGRP)について個体発生学的変遷を観察した。ペプチド系は一般に古典的神経伝達物質系より発生早期に出現する傾向にあるが、substanceP受容体もそうであり、胎生末期に出現し成熟レベルまで増加していった。しかしsub-starceP受容体の膜内伝達系は必ずしも発生早期には現われていないことがわかった。mAchRについてはM1とM2のサブタイプ別に個体発生を観察し、2つのサブタイプは独立して分化していくことが示唆された。CGRP免疫活性は温痛覚や内臓知覚入力線維では発生早期に出現するが、聴覚系や視覚系に関与する剖位では前者より遅く分化することがわかった。また、小脳において発生初期に一過性に出現するCGRP陽性線維を見い出した。変性性神経疾患の病態に関しては、パーキンソン病及び1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridineにより誘発されたサルのパーキンソンニズム、脊髄小脳変性症及びローリングマウスナゴヤ、アルツハイマー病の脳を用いて、各種神経伝達物質受容体の分布異常を観察し病理学的所見や神経伝達物質そのものの変化と併わせ考察した。
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