配分額 *注記 |
25,000千円 (直接経費: 25,000千円)
1986年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1985年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1984年度: 16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
|
研究概要 |
ビオチン反応性マルチプルカルボキシラーゼ(MC)欠損症,ケトーシス型高グリシン血症,メチルグルタコン酸尿症,高乳酸血症の病態について検討した。ビオチン反応性MC欠損症;患児の白血球および皮膚線維芽細胞のプロピオニルCoAカルボキシラーゼ,メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ,ビルビン酸カルボキシラーゼ,アセチルCoAカルボキシラーゼの著明な低下を認めた。尿有機酸分析ではこれらカルボキシラーゼ活性の低下を反映して、3-ヒドロキシイソバレリン酸,メチルクロトニルグリシン,3-ヒドロキシプロピオン酸,乳酸などの著明な排泄増加があった。各カルボキシラーゼ活性の低下する順序を検討したところ、ホロカルボキシラーゼ合成酵素の遺伝的欠損に基ずくことが明らかになった。ケトーシス型高グリシン血症;プロピオン酸血症やメチルマロン酸血症にみる高グリシン血症の発現機序を検討し、グリシン開裂系が著明に低下していることを明らかにした。グリシン開裂系の各構成成分の分析では両者の間でH蛋活性の著明な低下がみられた。これらの低下は2次的に生ずることが示唆された。メチルグルタコン酸尿症;従来、メチルグルタコン酸尿症の障害酵素は不明であった。その理由は周血酵素の活性測定が不可能だったからである。我々は3-メチルグルタコニルCoA(3-HGCoA)ヒドラターゼ活性測定法を開発し、検討した。測定法は酵素学的に生成した〔5-C〕3-MG-CoAを基質として、反応生成物と基質の分離を高速液クロでおこなうユニークなものである。患者2例では同酵素活性の著明な低下が認められた。高乳酸血症;高乳酸血症を呈した56例を酵素学的に検討し、Cytochrome C oxidase欠損症6例,ピルビン酸脱炭酸酵素欠損症8例を認めた。それぞれの疾患とも遺伝的異質性に富む疾患群であることを明らかにした。
|