研究課題/領域番号 |
59440066
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
折笠 精一 東北大学, 医, 教授 (60001004)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
1985年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1984年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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キーワード | 膀胱の感染防御機構 / P式血液型 / P-fimbriae / 尿中マンノース |
研究概要 |
感染防御にとって、細胞の粘膜への付着が極めて大切である。そこで、以下細胞の付着性と粘膜の細胞付着に対する受容性を検討した。 【◯!1】ラット膀胱炎の走査電顕による経時的観察:膀胱内注入細胞の多くは4時間までは腔内を浮遊しており、粘膜への付着は少ない。即ち、この期間に排尿することが感染防御上大変重要である。8時間後になると、粘膜上皮の膨化、剥離と多数の細胞の粘膜への付着がみられる。同時に多数の白血球が細胞貪食を開始し、多数の赤血球は多数の細胞を取り込みながら大きな集塊を作る。この赤血球の集塊は、細胞の粘膜への付着を防ぐと同時に、細胞が排尿により排泄されるのに好都合である。即ち、赤血球は膀胱内で掃除屋的役割をしているといえる。 【◯!2】急性膀胱炎患者のP式血液型と原因大腸胞のP-fimbriaeについて: P式血液型抗原であるglycosphingolipiclsは尿路上皮にも存在し、disaccharicle部分が細胞付着に対するreceptorとして認められている。そこで、17〜72才の女子急性膀胱炎患者73名のP式血液型分布を調べた。患者全体では対照日本人分布(【P_1】=35.3%,【P_2】=64.7%)に比し、【P_1】型が47%、【P_2】型が53%と【P_1】型がやや夛かった。再発例では【P_1】型が54%と夛くみられた。次に患者より分離大腸胞のP-fimbriaeの有無を検討した結果、14株中2株であった。 【◯!3】膀胱炎患者尿中のマンノース濃度:type1-fimbriaeに対するreceptorとしてマンノースが知られており、尿路上皮にも存在する。もしマンノスが尿中にも含まれていれば、細胞を被覆して細胞の粘膜への付着を阻止することが考えられるので、尿中マンノースを測定した。マンノース濃度は、対照群(成人9例)4.80〜75.80(平均22.64)μg/ml,急性膀胱炎群(9例)3.86〜96.92μg/ml(平均25.69)で、両者に有意差ない。しかし、7.5μg/ml以下のものは対照群1/24(4.1%)に比し、膀胱炎群4/12(33.3%)と膀胱炎患者尿中のマンノースが価値のものが夛かった。
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