研究課題/領域番号 |
59440080
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 宏 阪大, 歯学部, 教授 (40038865)
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研究分担者 |
葛西 康宏 大阪大学, 歯学部, 助手 (60177417)
原田 泰 大阪大学, 歯学部附属病院, 助手 (10181025)
木村 重信 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (10177917)
福原 弘喜 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (20144503)
恵比須 繁之 大阪大学, 歯学部, 助教授 (50116000)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
30,500千円 (直接経費: 30,500千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1984年度: 23,000千円 (直接経費: 23,000千円)
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キーワード | ヒト歯周炎 / 多クローン性B細胞活性化反応 / T細胞 / T細胞サブポピュレーション / Actinomyces viscosus T14V / 表面lgG陽性B細胞 / lgG産生 / 自己反応性T細胞 / 自己リンパ球混合培養反応 / 成人型歯周炎患者 / 自己リンパ球混合培養 / Tリンパ球の増殖 / 口腔内細菌 / 多クローン性B細胞活性化 / T細胞依存性IgG産生 |
研究概要 |
ヒト歯周炎にはlgGを保有するB細胞系リンパ球の著しい浸潤増生と、T細胞の局在が認められる。我々はhelper/inducerT細胞(T4陽性細胞)とsuppressor/cytotoxicT細胞(T8陽性細胞)の局在を証明し、また歯肉組織より抽出した歯肉リンパ球を利用してこれらT細胞サブポピュレーションにおけるlaの発現率を検討した。その結果、laの発現頻度は同程度であったことから、歯周病巣でT細胞の免疫調節機能が作動している可能性が推定された。 他方、B細胞系リンパ球の増加の一因は歯周ポケットに生息する細菌の示す多クローン性B細胞活性化反応(PBA)による可能性がある。そこで、歯周病関連菌の一つであるActinomyces viscosus T14Vの示すPBAを検討し、これはT細胞、マクロファージ非依存性であること、さらにlgGの産生は表面lgG陽性B細胞(免疫記憶細胞)に依存し、表面1gG陰性B細胞には依存せず、いわゆるクラススイッチを誘導するものではないことを明らかにした。またこのPBAはT細胞により修飾され、この場合は著しいlgGの産生が増大することを明らかにした。この機構はPBAで活性化されて、B細胞表面上に発現した多数のla抗原をhelper/inducerサブポピュレーシュン(L3T4陽性細胞)に属するT細胞が認識して刺激され、何らかの因子を産生して、既に非特異的に活性化されているB細胞をlgGの産生へと分化誘導するという新しい事実を明きらかにした。 一方、成人型歯周炎患者では末梢血Tリンパ球のサブポピュレーションの比率(T4/T8)は健康人の場合と変わらないが、歯周病巣では患者末梢血と比較して大きく変動した。また、若い成人で重度な歯周炎患者のなかには末梢血リンパ球の自己リンパ球混合培養反応の低下する場合がみられた。今後、このような免疫異常が存在することと、歯周病巣局所での免疫調節という概念とを合わせて歯周病巣の形成機構を検討して行きたい。
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