研究課題/領域番号 |
59440094
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子遺伝学・分子生理学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
朝倉 昌 名大, 理学部, 教授 (80022531)
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研究分担者 |
神谷 律 名古屋大学, 理学部, 助手 (10124314)
尾張部 克志 名古屋大学, 理学部, 助手 (90109257)
藤目 杉江 名古屋大学, 理学部, 助手 (60022662)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
16,500千円 (直接経費: 16,500千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1984年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
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キーワード | アクチン / ミオシン / 試験管内滑り運動 / 暗視野顕微鏡 / 蛍光顕微鏡 / 蛍光標識 / カルシウム / アクチン繊維 / ミオシン繊維 / アクチン・ミオシン間の滑り運動 / 滑り運動の再構成 |
研究概要 |
アクチン/ミオシン溶液中の単一ミオシン繊維及び単一アクチン繊維の動きを直接観察するための光学顕微鏡法を開発し、これによって生体運動をミクロのレベルで再構成する研究を行ない、以下の結果を得た。 1. ATP添加により引きおこされる超沈澱を暗視野法で追跡し、この現象に先立ってミオシン繊維が間欠的ながら長さに沿って両方向に、最大速度約5μm/秒をもって滑り運動する条件を見出した。また、この際Mg濃度を高めるとアクチン繊維が凝集してパラクリスタルを作り、これらの束の長さに沿って一方向にミオシン繊維が滑走する現象を発見した。 2. Fアクチンを蛍光色素FITCで標識し、落射蛍光顕微鏡と画像処理装置の組合せによって、その1本1本の熱運動を記録した。また、これに多量の未標識アクチンを共存させると、観察される各繊維の法線方向の運動が強く制限されるために、その長さ方向の動きが浮び上って見える。これはdeGennesらが予言しているreptile運動をはじめて可視化した例である。 3. 低濃度の標識アクチンとミオシンの低イオン強度溶液にMgATPを加えると、各アクチン繊維の曲げ運動は活溌化されるが、長さ方向の運動(滑り運動)は起きない。しかし、この系に多量の未標識アクチンを加えると、標識アクチンの全繊維が長さに沿って一方向に約5μm/秒(温度27℃)で滑走することを発見した。この運動は温度に敏感であり、10℃では停止した。 4. FITC標識アクチン/トロポミオシン/トロポニン複合体を用いて上記のような運動系を再構成したところ、運動性がCa濃度に依存して現れることを見出した(Ca制御系の再構成)。興味深いことに、運動する繊維の数と滑り速度の両者がCa濃度に転位的な強い依存性を持ち、運動制御に恊同現象的過程が含まれていることを示唆する。
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