研究課題/領域番号 |
59450043
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
堀井 敏夫 阪大, 教養部, 教授 (90025049)
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研究分担者 |
南 直人 大阪大学, 文学部, 助手 (20181951)
藤本 和貴夫 大阪大学, 言語文化部, 教授 (70029734)
廣實 源太郎 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (20030083)
江川 温 大阪大学, 教養部, 助教授 (80127191)
川北 稔 大阪大学, 文学部, 助教授 (70107118)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1986年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1985年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1984年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | ヨーロッパ史 / 食糧供給 / 飢餓 / 食生活 / 穀物貿易 / 生活水準 / 工業化 / 関税 |
研究概要 |
本研究の成果をまとめるに当っては、過去3年間にわたる個別研究と研究会の討論の蓄積に基づいて、研究代表者を中心に各研究分担者が相互に調整を行ないつつ、報告書の作成を準備した。まず代表者が総論を展開するとともに、中世フランス,近代イギリス,近代オーストリア,現代ドイツの各分野について、それぞれ最も適当と思われる研究分担者が自らの専門知識を生かしつつ執筆に当たった。こうして別添の小冊子『ヨーロッパ史における食糧問題』は本研究の成果の主要部分を含んでいる。 (1)ヨーロッパ史全体を食糧の供給と消費とを基準として概観すると、社会は飢餓の時代から緊張の時代へ、更に飽食の時代へと発展したと見ることができる。〔「食糧の供給・消費と歴史の動き」堀井敏夫〕 (2)食糧の輸出規制は、不作の際に見られる政策であるだけではなく、政治勢力の対立抗争のなかで政治戦略としても行われる。その事例は中世のラングドックにも見ることができ、王権のみならず都市自治の発展にも大いに関係している。〔「食糧の流通規制と身分制集会-13世紀ラングドック沿岸地方の事例」江川温〕 (3)近代の工業化は都市労働者の食生活をさまざまの栄養素不足の状態に置いたのであり、そのためにイギリスでも結核・くる病・貧血症などの階級病が見られる。〔「食生活と疾病-産業革命期イギリス民衆の生活水準」川北稔〕 (4)食料品を含む関税政策の事例として、オーストラリアとハンガリーの関税統一を研究したが、統一の結果は安いハンガリー小麦が大量にオーストラリアに入り下層民の生活の安定と社会平和がもたらされた。〔「1850年のオーストラリア・ハンガリー関税統一をめぐって」廣實源太郎〕 (5)英佛に比して急速な工業化を経験したドイツで食生活の変化を精査すると、一日の食事体系における力点の移動などが明らかとなる。〔「近代ドイツにおける工業化と食生活」南直人〕
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