研究課題/領域番号 |
59450080
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
家崎 満大 和歌山大学, 教育学部, 教授 (90031757)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1985年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1984年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 自閉児 / 運動教育プログラム / ボール投げ動作 / 画像処理 / 知恵遅れ児 |
研究概要 |
本研究において、自閉児を主な対象とする精神発達障害児への運動教育プログラムの仮説的枠組を設定し、その仮説検証の最初の試みとして、ボール投げ動作の指導効果を画像処理により検討した。指摘した内容と結果を要約すると次のとおりである。1.障害児運動教育プログラムの仮説の枠組は、運動行動それ自体の知的発達プロセスを内包し、障害児の自由な遊び的行為をも同時に誘発する次の五つの段階として構成された、(1)揺れ刺激受容の段階、(2)物的運動環境との能動的交流の段階、(3)視覚ー運動模倣の段階、(4)ルールを伴う運動活動への適応段階、(5)知覚ー運動スキル発揮の段階、である。2、ボール投げの指導は、投げの目標としてカラーの簾などを利用、上記の枠組の第2段階に立脚して、第3段階から第5段階への行為へと発展させることを試みた。約2年間の指導による画像処理でみた結果は次のようにまとめられる。(1)最後の約半年間での動作変容を検討したところ、自閉児では5名中4名に、知恵遅れ児では3名中2名に質的ないしは量的ないずれかの側面で変化が認められた。(2)2年間の指導後、投げ目標への距離の長ー短、目標それ自体が的の場合ー人の場合の4条件によって動作の分化の度合・特徴を検討したところ、知恵遅れ児の方が自閉児よりも熟練者の動作分化のパターンに相対的に近かった。自閉児は、意味的、概念的レベルにおいてよりも距離的、物理的条件により、動作のパターンが決定される傾向をもつものと考えられる。(3)投げの動作速度や動作所要時間を検討したところ、自閉児、知恵遅れ児ともに、目標条件に合うように動作調節を開始するタイミングが、熟練者に比べて遅れていることが分った。両群ともに、動作の準備相から主要相に移る時点で動作調節を試みる指導方法の開発が、今後の指導課題であるといえよう。
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