研究分担者 |
平木 昭夫 大阪大学, 工学部, 教授 (50029013)
小川 力 筑波大学, 物理工学系, 講師 (80015750)
大成 誠之助 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (70015824)
小川 泰 筑波大学, 物理工学系, 教授 (10025364)
SEINOSUKE ONARI Inst. of Appl. Phys., Univ. of Tsukuba, Ass. Prof. (KAWAZOE,Yosh)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1985年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1984年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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研究概要 |
超微粒子中の電子のエネルギー状態の研究を行うため, 差動排気系を設置した二室よりなる微粒子作製装置を製作した. 下室において断熱膨張法によりクラスターを発生, 上室との継目で平行流とする. 上室には平行クラスター流の光吸収・散乱・発光測定用の平行鏡等が設置されている. 分光器等の計測部は上室外部に設置された. 発生クラスター流の平行度・サイズ分布はまだ充分の結果を得たとはいゝ難く改良中であるが, 予備的な実験より次の結果を得た. 銀クラスター流ではプラズマ吸収が消滅すると同時に, 多くの種類の分子的励起発光が観測できた. 一方cdS, cdSe等のクラスターを捕獲して光音響・ラマン散乱・発光の測定を行なった. 詳細については添付の研究成果報告書を参照して頂くことにし, 結果の概略を述べる. クラスターの直径が100nm以下になると表面準位の発生により基礎吸収端は低エネルギー側に裾を引くようになる. しかしエネルギー帯の形・音子のエネルギー等はバルクの状態と同じまゝに保たれている. 更にサイズが小になり10nm位になるとバルクとは異なった結晶構造を持つようになる物質(caSe)もある. これは表面エネルギーを最小にしようとする為であろう. 又この位以下のサイズになると, 光による電子遷移における波動ベクトルの保存則が成立しなくなってくることも発見された. サイズの減少と共に発光強度が減少することも発見された. これは表面で電子が非弾性散乱され状態が不安定になる為であろう. Geクラスターの光電子スペクトルは非結晶のそれに類似している. Si:H微結晶の(110), (111)面グレインにはSiH, SiH2, SiH3が形成されている. クラスターの外形には時として5回対称を示すものも見られる. これに関連して5回体稱をもつ準結晶の構造を3次元ペンローズ模型により解析, 形とエネルギー的安定性での関係を論じた.
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