研究課題/領域番号 |
59460033
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藪崎 努 (1986) 京大, 国立大学(その他), 助教授 (60026127)
薮崎 努 京都大学, 助教授
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研究分担者 |
北野 正雄 京都大学, 超高層電波研究センター, 助手 (70115830)
小川 徹 京都大学, 超高層電波研究センター, 教授 (60025822)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1984年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | 光双安定性 / 非線型現象 |
研究概要 |
本研究では対称分岐特性を持つ新しい型の光双安定系を提案し、その静的動的特性を理論、実験両面から詳細に研究した。この光双安定系はアルカリ原子の基底状態のスピン偏極とこれに基づく光誘起ファラデー効果を利用したもので、従来の光双安定系のように光共振器を必要としないのが大きい特徴である。また、系の状態が原子系について見ればスピン偏極の方向、光線について見れば円偏光の向きで特徴づけられるのも従来の系とは異なっている。また双安定性をもたらす正帰還と、スピン偏極と磁場の相互作用を利用した発振器を考察し、実験的に発振現象を確認した。発振周波数はラーモア周波数にほぼ一致し、印加磁場に比例して大きくなった。周波数の上限は約10【MH_Z】であり、それ以上磁場を大きくすると発振は停止した。この原因は解析の結果、磁場の不均一によるものであることが明らかになった。さらにこの系が示すカオス的振舞いについて数値実験等を行い、多くの興味深いストレンジ・アトラクタや分岐の存在を見いだした。その中でも特に"対称性を回復する危機""隠れたカオス"と名付けた現象は多くの物理系に共通して見られる普遍的現象であることがわかった。この系の発展系として原子の拡散を通して結合している2ビーム光双安定系についての理論的解析を行った。結合がない場合は2つの独立した双安定系として4重安定性を示すことは明らかであるが、解析の結果、結合のある場合でも光強度が十分大きければ4重安定性が得られることがわかった。この解析は、Nビーム系、さらに2次元系に拡張出来る。これらの系は工学的には2次元画像処理システムとして重要である。最後に、スピン遍極を利用して光双安定系を構成するという我々の提案に基づいて、海外の3つのグループ(独,伊,ニユージーランド)でもそれぞれ研究が進められ多くの知見が得られたことを付け加えておく。
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