研究課題/領域番号 |
59460039
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
気象・海洋・陸水学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永田 豊 東大, 理学部, 教授 (80011493)
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研究分担者 |
尹 宗煥 東京大学, 理学部, 助手 (80111459)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1984年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 陸棚上の海流 / 地形効果 / 縁辺海 |
研究概要 |
日本海における対馬海流の第一分枝,オホーツク海の宗谷海流,津軽海流などは浅い大陸棚上を流れており、その特性は深い外洋域を流れる一般の海流とは異なった特性をもつ。それは海流の流速場がほとんど海底までおよぶため海流の振舞が海底地形によって著しく影響されていること、および陸岸境界の影響のもとで摩擦力が大きく関与してくるためである。大陸棚域での海流系について、よりきめの細かい知識への要請が高まりつつあるが、その研究は非常に遅れているのが現状である。本研究では種々の既存の資料を整理すると共に数値実験・水槽実験を通して単純化したモデルでその特性を分類し、陸棚上の海流系を支配する物理的機構を明確にすることを目的として行なわれた。水槽実験では海峡からの流入方向が海岸線の方向とどのような関係を持つかを中心に検討し、実際の海流の造りだす暖水塊の振舞と比較した。そうして単純な実験から水槽内に、宗谷暖流のように岸沿いに細い帯となって流れる場合、津軽海流のように流入部の沖に大きな渦をともなう場合などを再現することに成功している。特に流入を北半球で左岸沿いに行なう場合、早い段階で楕円形の渦の発生とその分裂が観察される。この現象は変動性に富んだ津軽海流の特性を説明する可能性が高く、流入角と並んで造りだされる水塊と流入口の相対的位置関係について調べた。まだ残された問題があるが、少なくとも定性的には現実の海流の特性は説明しうるように思える。数値実験では陸棚上の海流に適用しうる2層局所数値モデルの開発に力を注いだ。現在までの適用は限られた現象に留まっているが、モデルの有効性を示し得たので今後具体的な適用を計りたい。資料解析は沿岸潮位記録・定期船や沿岸の水温記録を用いて、陸棚上の海流をモニターする手段の検討を行なった。まだ可能性の指摘の段階であるが、この問題も合後機会を捕えて研究する積りである。
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