研究課題/領域番号 |
59460040
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
気象・海洋・陸水学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
樋口 敬二 名大, 水圈科学研究所, 教授 (50022512)
|
研究分担者 |
大畑 哲夫 名古屋大学, 水圏科学研究所, 助手 (90152230)
山本 勝弘 名古屋大学, 水圏科学研究所, 助手 (60022654)
渡辺 興亜 国立極地研究所, 教授 (60111861)
|
研究期間 (年度) |
1984 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1985年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1984年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
|
キーワード | 大気境界層 / 融雪 / アルベード / 大気-雪氷相互作用 |
研究概要 |
本研究では、次の2研究課題を設定して研究を進めた。第1に、数10〜数100m規模の積雪上での大気の変質と雪面融解量の検討と、その様な積雪が分散して存在している場合の全体としての融解量の評価。第2に、数km〜数10km規模の積雪域上で起っている大気-雪面相互作用の実態を平担地と傾斜地について明らかにすることであった。前者については数値シミュレーションを中心とし、後者については高田平野と立山山域における積雪域境界付近での現地観測と解析を主体に置いた。その結果、次のことが分かった。 1)平地における積雪域上の大気の変質は数kmまでは、風向・風速を一定にした大気境界層の二次元拡散モデルで近似できる。 2)分散して存在する積雪域(卓越風向長さL)では、無雪域の長さがL以上であれば、熱的に相互に影響し合わない。L以下だと、風上の積雪域の存在が風下の積雪域の融解量に影響を与える。 3)平担地の積雪域上での内部境界層の発達は著しく、厚さは吹走距離の2%である。そのため、数kmの吹走後、地上気温には4〜5℃の低下がみられ、地上風速も数分の一となる。それに対し、傾斜地では、そのような内部境界層の発達は見られず、地上気温、風速は積雪域を境にして大きな変化はない。 4)しかしながら、両側での地上風系(風向から判断)を傾斜地と平担地について比較すると、傾斜地では全く異なる風系が生じているが、平担地では、その差が遙かに少ない。これは斜面では冷却された気層に働く力が異なるからである。 5)積雪域境界付近での融解量の増加は、平担地、傾斜地でともに見られるが、後者では積雪域が分散していることと、表面アルベードが低いことの効果が卓越しているのに対し、平前者では内部境界層の発達の影響が大きく影響している。
|