研究課題/領域番号 |
59460041
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
気象・海洋・陸水学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
由佐 悠紀 京大, 理学部, 助教授 (90025403)
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研究分担者 |
川野 田実夫 大分大学, 教育学部, 助教授 (00040725)
神山 孝吉 京都大学, 理学部, 助手 (70135507)
北岡 豪一 京都大学, 理学部, 助手 (30093230)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1985年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1984年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | 地熱現象 / 陸水の密度 / 地熱流体の循環 |
研究概要 |
1.地熱水の循環過程を研究する上で重要な地熱水の密度資料を得るため、初年度にディジタル密度測定装置を購入した。装置と測定条件の調整に時間を要したため、十分な成果は得られていないが、日本各地の地熱水・地下水・雨水および南極や南米の陸水に関する資料が得られ、電導度との関係が求められた。今後は、かなり高温における測定へと進みたい。 2.実際のフィールドでの資料を得るため、代表的地熱地帯である大分県別府において、地熱流体の噴出量・熱量・化学成分量などを調査した。これにより、地下蒸気の存在範囲が明らかになった。また、この25年間に、噴出量中に占める蒸気の割合が増加した。このことは、地熱流体の採取に伴って、地下におけるその存在・循環形態が変化しつつあることをを暗示しており、注目される。 3.九重から別府に至る中部九州と山陰地方の地温分布が整理され、基本的な地下増温率は100m当り約60℃であることが知られた。これらの地域に展開する地熱活動は、このような増温率のもとでも、広域水循環によって出現し得る可能性が指摘され、また、透水係数の大きい範囲が浅い地域ほど、高温部が狭い範囲に限られる傾向のあることが示された。 4.別府温泉で観測されたように、活発な地熱活動域では、熱水から生じた蒸気相の領域が存在し、相変化を伴う二相流が地熱流体の循環に大きな役割を果している可能性がある。そのため、二相流の理論的研究が行われ、基礎方程式が導かれた。これに基き、系の水理的特性が調べられ、(1)水理的貯留係数は地下温度に左右される、(2)圧力伝播は熱伝導の影響を受ける、などが明らかにされた。また、簡略化された理論式を用いて、二相流の鉛直循環が数値実験的に調べられ、循環量と透水係数の量的関係に関する若干の知見が得られた。
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