研究課題/領域番号 |
59460047
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
鉱物学
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研究機関 | 東京大学 (1986) 大阪大学 (1984-1985) |
研究代表者 |
堀内 弘之 東大, 理学部, 助教授 (80029892)
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研究分担者 |
床次 正安 東京大学, 理学部, 教授 (80029850)
金丸 文一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (40029848)
KOTO Kichiro Assoc. Prof., Inst. Sceintific & Indust. Res., Osaka University
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
1986年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1985年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1984年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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キーワード | 希土類酸化物の構造 / Zr【O_2】-【Y_2】【O_3】 / Sr-Fe-O系 / 高温相 / マグネシウム珪酸塩高温圧相 |
研究概要 |
本研究では、遷移金属酸化鉱物、特に高温で顕著な酸素イオンの拡散を示す稀土類酸化鉱物Zr【O_2】-【Y_2】【O_3】系固溶体の他、陽イオン伝導を示す六方ブロンズKχ【WO_3】や、Sr-Fe-O系ペロブスカイト誘導体、などの結晶構造の研究を、X線・中性子回折法を用いて行った。 1)本研究を遂行する過程で必要なZr【O_2】-【Y_2】【O_3】系固溶体の作成には2500Cを越える高温が必要である。基礎的研究試料の作成の為として、消費電力の少ない高温発生の高周波加熱炉を制作(阪大産研に設置)し、炭素発熱体を用い真空中で2700Cまで1時間程度の短時間で昇温する事に成功した。しかしながら、超高温に迅速に昇温する事と、高温で生成した試料を急冷するということは技術的に相反することであり、高温状態の急冷試料を研究する上では今後の問題を残している。 2)約16モル%【Y_2】【O_3】をZr【O_2】に固溶させた安定化立方ジルコニアを770Cに保ち、電場を〈100〉方向に与え、酸素イオンを拡散させている状態と電場を与えていない状態での酸素イオンの挙動を中性子回折法を用いて解析した。この結果、無電場の時は顕著な〈111〉方向への非調和熱振動、電場を与えた時は非調和熱振動に加え〈100〉方向への原子分布の広がりが観測された。 3)Sr-Fe-O系ペロブスカイト誘導体は結晶構造中でのFe原子の配列により、興味深い磁気的特性が予測される物質である。Sr【CO_3】とα-【Fe_2】【O_3】のモル比4:3の混合物を1430Cで熔解1300Cで約6時間保持する事により得られた結晶を解析した結果、まったく新しいペロブスカイト誘導体構造であることが確認された。 4)MgO-FeO-Si【O_2】系の高温高圧相の研究は地球深部物質を予測する上で重要である。その物質構造の基礎的データを得る目的で、27GPa、1830Cで合成した端成分MgSi【O_3】の構造の精密決定を行った。Mg【O_(12)】は極めて不規則な配位多面体であるのに対して、Si【O_6】は正6面体に近い。 5)以上の他、幾つかの遷移金属酸化鉱物に関し、構造の研究成果を得ている。
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