研究概要 |
アクリル系オリゴマー型界面活性剤を合成し、その基礎物性として特に表面張力,また応用面として顔料分散への効果などを評価した。大きく分けて3種類のオリゴマー型界面活性剤を合成した(A,B,C)。 A型はアクリル酸,アクリロニトリルおよびドデカンチオールにより、B型はメタクリル酸またはアクリル酸およびドデカンチオールにより、またC型はメタクリル酸またはアクリル酸およびラウリン酸により合成した。 表面張力の測定からA型とB型のオリゴマー型界面活性剤は濃度に対して屈曲点を持ち、c.m.cを決定することができた。そのc.m.cの値は一般の界面活性剤に比べて小さく、【γ_(cmc)】も小さくなった。一方,C型のオリゴマー型界面活性剤は表面張力では屈曲点を示さず、そのc.m.cはヨウ素の可溶化により決定した。 顔料分散においてA型オリゴマー型界面活性剤に添加によるTi【O_2】,α-【Fe_2】【O_3】の分散挙動を調べたところ、顔料粒子は凝集,再分散の状態を示した。再分散を得るためにはアクリル酸含量が高いオリゴマー型の方がより低濃度で生ずることが判明した。また、C型オリゴマー型界面活性剤によるTi【O_2】の分散挙動においてもほぼA型での結果と同じになった。 一方,B型フタロシアニンの分散では少量のC型オリゴマー型界面活性剤の添加により高い分散性が得られた。
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