研究概要 |
1 [M【(acac)_2】](M=pd,pt)とdpm(=【Ph_2】PC【H_2】P【Ph_2】)とからdpmアニオンの配位した錯体を生成する反応、および逆にこの錯体とMeIとからdpmのメチレンプロトンがメチル化された錯体[M【(Me-dPm)_2】]【I_2】を生成する反応の反応経路の全容を【^1H】,【^(13)C】,【^(31)P】-NMRスペクトルでの追跡により明らかにした。 2 上記反応を通じてカチオン錯体【[M(dpm)_2]^(2+)】が反応中間体として重要であることが判明したので、【[Pd(dpm)_2]^(2+)】への【[MoCp(CO)_3]^(-)】の求核反応を試み、MoとPdとからなるdPm架橋のヘテロニ核錯体【[(CO)_3Mo(μ-dpm)_2PdCp]^+】の合成に成功した。 3 【[CpMo(CO)_3]_2】と【NO(_2^_)】との光反応または【[CpMo(CO)_2]_2】と【NO(_2^-)】および【NO(_3^-)】との暗反応により単核の[CpMo【(CO)_2】(NO)]が生成することが明らかにされ、その反応機構が解明された。 4 α,α'-ジブロモ-O,m,P-キシレンのベンジル炭素への【[CpMo(CO)_3]^-】の求核攻撃により、キシリレン架橋の複核錯体[【{CpMo(CO)_3}_2】(μ-O,m,p-【CH_2】【C_6】【H_4】【CH_2】)]を得た。これらの錯体はP【Me_2】Phと反応し、モノアシル,ジアシル錯体を順次生成する。また、光照射によりMo-C結合が均等解製され、ラジカルを生ずることが明らかにされた。 5 ジ-μ-メチレン複核錯体【Rh(C_5Me_5)Me]_2】【(μ-CH_2)_2】の酸化還元挙動をサイクリックボルタンメトリー法により調べ3つの酸化波を確認した。第1波および第2波付近での定電位電解により発生する気体成分および試料溶液のESRを測定してラジカル種の生分を確認すると共に、この錯体の酸化反応機構の全容を明らかにした。また可視光照射によりRh-Mc結合が切断されてメチルラジカルが生成することも明らかになったので、ラジカル機構の存在の可能性をも示した。
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