研究課題/領域番号 |
59470049
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属製錬・金属化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
森 一美 名大, 工学部, 教授 (10022972)
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研究分担者 |
平沢 政広 名古屋大学, 工学部, 助手 (90126897)
佐野 正道 名古屋大学, 工学部, 助教授 (70023174)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1985年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1984年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 溶銑処理 / スラグ成分の活量 / スラグ-メタル反応 / 脱りん反応 / 復りん反応 / 酸素ポテンシャル / 物質移動 |
研究概要 |
本研究は、溶銑処理における脱りん操作の工学的基礎を確立させることをねらった研究で、基本スラグとして新しくCaO-【Li_2】O-Si【O_2】系を選び、かつ浴の撹拌をコントロールした反応実験を行った点に大きな特色がある。 1.基本設備として「ケラマックス電気炉」を購入設置し、これにより、試料の溶解、実験を、精密な温度と雰囲気のコントロールのもとに行うことができた。 2.基本スラグの熱力学的数値としてSi【O_2】の活量,添加したFeOの活量,およびphosphate capacityを求め、これにより本研究のスラグの本性を明らかにした。 3.FeOを含むスラグによる高炭素濃度溶鉄の脱りん反応の速度論的実験を行い、脱りん挙動を明らかにした。とくに反応の進行中、脱りんから復りんに変化する現象を明確に示した。また、実験結果と反応モデルによる計算結果を比較検討することにより反応機構を考察した。 4.スラグ-メタル間のりん反応を一般的な反応系としてとりあげ、スラグとメタルのPの初濃度を種々変化させ、メタルの脱りんから復りんまでの反応を起させ、その中間の擬平衡状態からスラグ-メタル間界面酸素ポテンシャルを推定した。 5.脱りん反応機構を検討する上で有用な知見を得るため、同じスラグ-メタル系におけるSiの酸化反応をとりあげ、スラグ側、メタル側物質移動に対する撹拌、界面におけるCO気泡生成の影響などを明らかにした。また、反応モデルを用いて、Si酸化反応における界面酸素ポテンシャルを推定した。これは今後詳細な脱りん反応モデルを確立するための基礎資料となるものである。 6.FeOを含むスラグを高炭素濃度溶鉄と接触反応させた場合に起る種々の現象を関連づけ、理論的に厳密な反応モデルで説明すること、および、スラグ中の【Fe^(3+)】の挙動が脱りん反応の進行をどのように支配するかを解明することの2つの問題を今後新規の課題として研究する計画である。
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