研究課題/領域番号 |
59470110
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
製造化学・食品
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
林 建樹 (1986) 名大, 農学部, 助手 (90023473)
並木 満夫 (1984-1985) 名古屋大学, 農学部, 教授
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研究分担者 |
渡辺 乾二 名古屋大学, 農学部, 助教授 (70023447)
中村 良 名古屋大学, 農学部, 教授 (70023398)
大澤 俊彦 名古屋大学, 農学部, 助手 (00115536)
川岸 舜朗 名古屋大学, 農学部, 教授 (50023445)
並木 満夫 名古屋大学, 名誉教授 (90023374)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1984年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 低水分系の反応 / アミノカルボニル反応 / 糖とアミノ酸 / アスコルビン酸 / 脂質の自動酸化 |
研究概要 |
食品の品質変化を解明するための成分間反応に関する多くの研究の大部分は、水系で行われている。しかし、この結果をそのまま固相状態の食品に適応することは問題がある。本研究では低水分系における食品成分の反応を解析し、食品を制御するための新しい情報を提供することを目的とした。 1.グルコースとグリシンの混合粉末を熱分析すると、2段階のアミノカルボニル反応の存在を見出した。その1つの反応は、試料の吸湿性と関係しており、糖もアミノ酸も同時に減少し、水系の反応と同じであった。他の1つは、糖の溶融によって開始するもので、吸湿性の低いアミノ酸系や大部分のペプチド系,ガラクトース系などは、主にこの反応によって引き起こされた。この段階の反応では、糖は褐変重合物(メラノイジン)等と反応するが、アミノ酸とは殆んど反応しなかった。 2.アスコルビン酸(AsA)添加食品の赤変現象と関連して、酸化型アスコルビン酸(DHA)と蛋白質の混合粉末を60℃で放置すると、DHA-アミノ酸系と同じ赤色色素を多量に生成した。反応後の蛋白質は、リジン残基が特異的に減少する事実と共にモデル系の実験も考慮すると、リジンのε-アミノ基が脱アミノされてアルデヒドが生成することが分り、反応機構を推定した。 3.脂質酸化に対するAsAの効果が不明確である。そこで低水分食品モデル、サフラワーオイル(またはリノール酸)-カゼイン-AsA系で調べると、AsAは保護効果を示したが、高水分(17%)にすると、逆に促進効果を示した。種々の実験結果から、低水分下のAsAは還元剤として作用するが、高分子下ではAsAはイオンとなり過酸化物を分解して連鎖反応を促進すると推定された。 以上の如く、本研究では殆んど水を含まない系を作ることによって、新しい反応を見出した。今後は、食品系におけるこれらの反応の役割を明らかにしたい。
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