研究課題/領域番号 |
59480023
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物発生・生理学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
江口 吾朗 岡崎共研機, その他, 教授 (80022581)
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研究分担者 |
浜田 義雄 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (10132739)
阿形 清和 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (70167831)
児玉 隆治 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (90161950)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1985年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1984年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 修復再生 / 分化形質転換 / 脱分化 / 再分化 / 遺伝子発現 / 遺伝子調節 |
研究概要 |
1.ニワトリ胚色素上皮細胞について、その水晶体細胞への分化転換の全過程を完全に人為制御でき、水晶体細胞および色素上皮細胞のいずれにも再分化させうる多能的脱分化細胞の均一集団を大量に作出することのできる、従来類例のないすぐれて有効な倍養実験システムの確立に成功した。 2.上記の実験システムを活用して、水晶体細胞に分化転換する色素上皮細胞の多能的脱分化状態の特性を明らかにすると共に、この脱分化細胞の多分化能は平均的分裂回数15回ほどまでは安定に維持されるが、加令が進むにつれて色素上皮細胞への分化能が失われ、最終的には水晶体細胞にのみ分化することを明らかにした。それにより、この実験システムの有用性を実証した。 3.虹採色素上皮の分化転換によって成立するイモリ水晶体再生の分子機構を明らかにする目的で、水晶体が特異的に産生するクリスタリンの單クローン抗体の作出に成功し、これらを活用して胚型γ-クリスタリンの主要なγ-クリスタリン・サブクラス(γA1)の遺伝子をクローン化し、その全塩基配列を決定した。また、このγA1遺伝子は水晶体細胞で特異的に発現され、他のイモリ成体組織や水晶体に分化転換する虹採色素上皮細胞では全く発現されていないことを明らかにした。 4.イモリ虹彩に対する單クローン抗体の作出を通じて、水晶体再生の初期過程において、虹彩色素上皮の水晶体再生部域のみでその初期変化と連動して消長する細胞表面分子の存在を明らかにし、修復再生の制御に関わる普遍的因子を探索するための道を開した。 ニワトリ胚及びイモリ成体の色素上皮細胞について得られたこれらの研究成果は、色素上皮細胞に固有な分化転換能の発現およびその制御の分子機構のみならず、修復再生の制御の分子機構を解明するための基礎を与えるものと考えられ、その生物学的意義は大きい。
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