配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1985年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1984年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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研究概要 |
1.イネラミナジョイントテストを用いて、糸状菌1098株の菌体メタノール抽出液中のブラシノライド様活性物質の存在を検討し、ブラシノライド換算10ng/g wet cellという高いオーダーの活性を示す菌32株を得た。生産菌は菌学的に見て著しい偏りがあり、接合菌Cunninghamella,不完全菌Penicillium,Trichoderma,Aspergillas,Cladosporiumなどに多かった。一方、属内の生産性は、調べたかぎりで普遍的であった。 2.菌体当りの活性は、培地を変えてもほぼ一定しており、種々のステロイド化合物を加えても増えることはなかった。 3.菌体メタノール抽出液中の活性は、シリカゲルクロマトでブラシノライドより疎水的な画分と、メタノールではじめて溶出されるきわめて親水的な画分の2つに大きく分かれた。量的には、前者がほぼ全活性画分の60%を占めていた。 4.Cunninghamella blakesleeanaの菌体メタノール抽出液を濃縮後,中性酢酸エチル抽出,アルミナカラムクロマト,アセトン抽出,シリカゲルカラムクロマト,調製用HPLCなどによって処理し、4.5g/7kg wet cellのブラシノライドより疎水的な活性物質を得た。これは原液の示す活性の85%である。この物質はTLC,GC/MSによってモノオレインと同定された。市販の植物由来モノオレインにもブラシノライド様活性のあることが、確認された。モノオレインのブラシノライドに対する比活性は約2万分の1、10μg/mlのオーダーで検出される。 5.ジオレインはモノオレインより活性が弱く、トリオレインは不活性である。一方、遊離のオレイン酸はモノオレインより10倍強い活性を示した。ステアリン酸,パルミチン酸とそのグリセリンエステルは、オレイン酸の場合より弱い活性を示し、グリセリンは不活性であった。 6.オレイン酸とその誘導体による、植物調節について考察した。
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