配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1985年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1984年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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研究概要 |
マウスを用いて、雄雌の性間で選抜強度を変えて、6週齢体重の重い方向へ選抜した系統間で、産子数の変化に差が認められた。雄のみ選抜したM系統雌のみ選抜したF系統,雌雄ともに選抜したMF系統の間で、MF系統は体重が最も多く増し、次いでF,M(FとMの間では有意な差なし)系統であったが産子数については、F系統が最も多く、次いでM系統であり、MF系統は無選抜対照系統Cと差がなかった。産子数は排卵数、胚胎児の生存性および、母体の影響を受ける。そこで、初期胚の培養試験,受精卵移植技術をも応用して、排卵数,受精卵の生存性,着床率,着床後の胎児の生存性について系統間で比較し、体重選抜とこれら繁殖形質との関連性について検討した。 1.排卵数と体重との間には正の遺伝的関連性が認められたが、F系統の排卵数が最も多く、次いでMF,M系統で、いずれもC系統より有意に多かった。 2.交配2日目に採卵し胚盤胞まで培養した発生率で、胚の生存性を比較すると、M,F系統はC系統より高かったが、MF系統はC系統と差がなかった。 3.交配14日目に開腹して調査した着床前および着床後の生存率についてはM,F系統はC系統より高く培養試験の結果と一致した。しかし、着床後の生存率では、F系統はC系統より有意に高かったが、M系統は差がなかった。 4.C系統の受精胚をM,F,C系統に移植して、母体の効果を調査してみるとF系はC系統より生存性が有意に高かったが、M系統は差がなく、体重の増加に伴って子宮内環境が改善されなかったことを示した。 5.M,F系統間に体形的な変化が認められたことから、雄と雌の体重に関与している遺伝子群は必ずしも同一でないことが示唆された。 6.M,F系統間での繁殖形質の差は体形変化とともに家畜の育校学上興味ある知見であり、今後これらの系統を用いて、生理生地学的面からの検討が必要である。
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