研究課題/領域番号 |
59480087
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山内 一也 東大, 医科学研究所, 教授 (30072888)
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研究分担者 |
甲斐 知恵子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10167330)
吉川 泰弘 東京大学, 医科学研究所, 講師 (80109975)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1986年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1985年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1984年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | ニワトリ / 補体 / ウイルス感染 / 免疫 / 病原性 |
研究概要 |
〔目的〕ニワトリにおける補体研究の基礎として、ニワトリ補体活性の測定法の確立、各種ウイルス抗体検出のための補体結合反応の術式の検討、および鶏痘ウイルス感染における補体の役割の解明を試みた。 〔成績および考察〕(1)ニワトリ補体の測定:馬赤血球がニワトリ新鮮血清により溶血する現象をみいだし、これが抗体非依存性の補体第二経路の活性化によることを明らかにした。この方法と、溶血素感作ヒツジ赤血球の溶血で、第二経路と第一経路の測定法が確立された。(2)ニワトリ補体による補体結合反応:ニューカッスル病ウイルスをモデルとして種々の反応条件の検討を行った結果、溶血素で感作したヒツジ赤血球による方法で抗体の測定可能であることが明らかにされた。しかし、補体過剰になりやすいこと、ウイルスによる抗体非依存性の補体活性化など解決すべき問題の存在することが明らかにされた。(3)鶏痘ウイルス(FPV)感染における補体の役割:FPVワクチン株感染細胞が抗体非依存性に補体第二経路を活性化し、ウイルス増殖を抑制すること、野外株ウイルスではこのような活性化が起こらないことが明らかにされた。FPVワクチンによる補体活性化は胚およびヒナでもみられた。補体欠損ニワトリではワクチン株感染でも病像の悪化が起こり、補体が感染初期での非特異的防御に役立つことが示唆された。一方、補体活性化による急性炎症が免疫系の未成熟な胚ではむしろウイルス病原性の増強に働く側面のあることも示された。(4)各種ニワトリウイルスによる補体の活性化:ニワトリウイルス株により補体の非特異的活性化の能力に差異のあることが示された。 以上、ニワトリ補体の基礎性状が明らかにされるとともに、補体がウイルス感染における防御的側面、病原性の発現など多様な生物活性を示すことが明らかにされた。
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