研究課題/領域番号 |
59480110
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
豊田 順一 聖マ医大, 医学部, 教授 (90081629)
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研究分担者 |
鯨岡 徹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (40130992)
藤本 正昭 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (90081728)
冨田 恒男 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 客員教授 (80090116)
TOMITA Thuneo St. Marianna Univ. School of Med.
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1986年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1985年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1984年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 網膜 / 双極細胞 / アマクリン細胞 / シナプス伝達 / 伝達物質 / グルタメイト伝幡性抑制 |
研究概要 |
1.双極細胞・アマクリン細胞間の情報伝達:双極細胞よりの伝達物質の作用を検討するため双極細胞とアマクリン細胞の同時記録を行った。双極細胞に通電し、膜を脱分極させると、アマクリン細胞より脱分極応答が得られる。従って双極細胞の伝達物質は興奮性であることが確認された。 2.アマクリン細胞への伝達候補物質の作用:アマクリン細胞の応答を細胞内電極により記録しつつ、細胞外に伝達物質候補と考えられている幾つかの薬物を電気泳動的に与え、その効果を研究した。 3.脱分極作用を示す薬物について:アマクリン細胞に脱分極作用を示すものとして、グルタメイト、アスパラテイトなどの酸性アミノ酸と、アセチルコリンがあげられる。これらの物質はコバルトでシナプス伝達を庶断したあとも作用を示すことから、アマクリン細胞にはこれらの物質に対する受容器を持っていることが示された。グルタメイトは双極細胞の伝達物質として有力な候補であるが、その放出の証明など今後の課題である。 4.抑制作用を示す薬物について:GABA及びグリシンはアマクリン細胞に対して抑制作用を示す。これらは双極細胞を介する作用の他にアマクリン細胞自身もこれらの薬物に対する受容器をもつ。 5.伝幡性抑制SDに対する薬物効果:網膜におけるSD発生の際、アマクリン細胞及び神経節細胞で異常興奮を伴う。このためSDの発生は、この部の興奮性の指標になり得るとの考えから、SDに対する薬物作用を検討した。この結果、アセチルコリンは興奮性に、GABA及びグリシンは抑制性に働くことが確認された。但し、グルタメイトについてはその効果がまちまちで、このことからもこれを現時点で双極細胞の伝達物質と考えるのは尚早であると考えられる。
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