研究課題/領域番号 |
59480150
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北村 幸彦 大阪大学, 医学部, 教授 (70028520)
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研究分担者 |
仲野 徹 大阪大学, 医学部, 助手 (00172370)
金倉 譲 大阪大学, 医学部, 助手 (20177489)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1984年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 肥満細胞 / 突然変異マウス / 細胞分化 / 細胞増殖 / インターロイトン / 増殖因子 / 血液幹細胞 |
研究概要 |
今年は本研究の最後の年であるが、大きく分けて次の2つの成果を得た。1)分化した肥満細胞の分化形質の転換に関する研究。この研究は結合組織型肥満細胞の増殖能力を研究する過程でみつけられた問題であるが、アレルギー疾患の病態や治療とも関係する医学的に重要な問題なので、昨年に引き続き本年も研究を行って、形質転換がおこることについては、形態学的手法のみではなく生化学的手法も用いて確定した。まず結合組織型から粘膜型への変化は結合組織型肥満細胞1個を遺伝的に肥満細胞を欠損するW/W^vマウスの腺胃筋層に注射することによって示した。注射場所240個所のうち9個所では肥満細胞が筋層にも粘膜層にも出現したが、粘膜層の肥満細胞は顆粒が大きくその数が少いという点で粘膜型肥満細胞の形態学的特徴を有していた。またベルベリン硫酸に対する染色性を失っており結合組織型の特徴の1つであるヘパリン合成能力を欠くように思われた。ヘパリンのようなグリコサミノグリカンは結合組織型と粘膜型を分別する良い示標である。昨年度の研究によりベルベリン硫酸による染色性で、粘膜型とほぼ同じ表現形質を持つ培養肥満細胞をW/W^vマウスの腹腔内に移植すると結合組織型になることがわかっていたが、本年度はハーバード大学との共同研究により、コンドロイチン硫酸を合成していた培養肥満細胞をW/W^vマウスの原腔内に移植するとヘパリンを合成するようになることを示した。 2)結合組織型肥満細胞は組織内では分裂せずGo期にあるものと思われる。ブタ草由来のリンパ球の分裂促進因子で刺激したT細胞が、結合組織型肥満細胞の分裂を開始させメチルセルローズ中でコロニーを形成させる物質を分泌していることはわかっていたが、その物質の本態は不明であった。我々は京大の本庶教授との共同研究によりインタロイキンチが結合組織型肥満細胞をG^1期に入れることをみつけた。
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