研究課題/領域番号 |
59480171
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
五十嵐 章 長崎大, 熱帯医学研究所, 教授 (40029773)
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研究分担者 |
森田 桂子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (80128214)
松尾 幸子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (80039916)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1984年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | オリゴヌクンオチドフィンガープリント解析 / RNA / 日本脳炎ウイルス / デングウイルス / 分子疫学 |
研究概要 |
この研究は、日本脳炎ウイルスの生態学に関して末解決である(1)温帯におけるウイルス土着説と、(2)熱帯からのウイルス持ちこみ説に対して、従来のように流行閑期に直接ウイルスを証明しようとする今までの方式と異なり、地理的年代的に分離歴を異にする多くのウイルス分離株を分子疫学的に解析する事によって解答の緒を得ようとし、同時に1953年フィリッピンの小児における流行以来東南アジアの大都市で相次いで流行し次第に都市周辺にも波及し、今日では東南アジアにおける最も重要なウイルス性疾患となっている。デング出血熱の発病病理に関して(1)ウイルス毒力説と(2)二次感染説に対する解答の緒を得るために地理的年代的に分離歴を異にするウイルスの分析と共に重症例から分離されたウイルスと軽症例から分離されたウイルスについての分子疫学的分析を行なおうとした。日本脳炎ウイルスは1935年から1983年まで分離された日本国内の株と、1949年から1983年まで分離された国外の株、合計38株を分析し、デングウイルスは3型6株と4型4株を分析に供した。ウイルスはヒトスジシマカ培養細胞クローンC6/36で増殖し感染培養液から濃縮精製後、フェノール法でRNAを抽出しエタノール沈殿後庶糖密度勾配遠心法で42SのウイルスRNAを精製した。RNAはT1-RNaseで切断後γ【^(32)P】-ATPとpolynucleotide kinaseで5'末端を標識し、二次元電気泳動で展開してオートラジオグラフィーを作成した。日本脳炎ウイルスのフィンガープリント解析の結果、日本のウイルスは互いに類似いており1980年以後の東南アジアの株とは明らかに相違していた。この事は土着説に対して有利な所見である。デングウイルス3型のフィンガープリント解析ではフィリピンの株はインドネシアの株と明らかに異なり、タイ国の株とも相違した。同一の流行で重症例から分離されたウイルスは軽症例から分離されたウイルスと11スポットの差しか示さなさった。
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