研究分担者 |
田村 まり子 東京女子医科大, 学・附属第二病院小児科, 助手
伊藤 けい子 東京女子医科大, 学・附属第二病院小児科, 助手 (70201324)
木口 博之 東京女子医科大, 学・附属第二病院小児科, 講師 (90075739)
梅津 亮二 東京女子医科大, 学・附属第二病院小児科, 講師 (80119908)
村田 光範 東京女子医科大, 学・附属第二病院小児科, 教授 (40075239)
TAMURA Mariko Tokyo Women's Medical College Daini Hospital Dapartment of Pediatrics
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1985年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1984年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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研究概要 |
登校拒否児の体質的因子として、生体リズムに着目して、検討を行った。検査項目は終夜睡眠脳波,深部体温,血中コルチゾール(Cor)およびβ-エンドルフィン(β-Ep),尿量および尿中Na排泄量,尿中カテコラミン(CA),皮膚電位,心拍数の7項目である。 対象は登校拒否児63例であるが、検査項目によって例数が若干異なり、一部は不定愁訴のみを持つ児も加えて検討した。また、DSM-【III】(Diagnosticand statistical Mannal for Mental Disorders 【III】rd Edition)を適用して登校拒否児を分類し、検査結果との関連を検討した。 (1)血尿β-Ep,尿中Na排泄量,皮膚電位,心拍数の4つの項目では、本来あるべき概日リズム(周期が24±4時間)を持たないものが対照群に比べて登校拒否群に有意に多く見られた。 (2)終夜睡眠脳波では、登校拒否群において睡眠率の低下,REM睡眠の減少,中途覚醒の増加などが見られ、睡眠構造の異常を呈するものが多かった。しかしDSM-【III】分類のtype別にみると、一定した傾向は見られなかった。 (3)腹部と足底部の深部体温の測定結果では、登校拒否児または不定愁訴を持つ児では、正常児にみられる腹部温と足底部温の差や、足底部温の律動性の変動が減少していることが観察された。 (4)尿中CAの排泄リズムを数量化した変数を取り出し、登校拒否児と不定愁訴を持つ児のDSM-【III】Axis5による適応水準との関連を多変量解析を用いて調べたところ、適応水準の高さと排泄リズムの変数とに相関がみられた。 以上の結果より、生体リズムに関する様々なパラメータで登校拒否児に異常が見られることが判明した。この事実をいかに登校拒否児の治療に反映していくかが今後の課題であろう。
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