研究課題/領域番号 |
59480282
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
斉藤 貴生 大分医科大学, 医学部第一外科, 助教授 (20037443)
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研究分担者 |
膳所 健二 大分医科大学, 医学部第一外科, 助手 (70163128)
桑原 亮彦 大分医科大学, 医学部第一外科, 助手 (10161811)
若杉 健三 大分医科大学, 医学部第一外科, 講師 (60145381)
小林 迪夫 大分医科大学, 医学部第一外科, 教授 (20038657)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1985年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1984年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | 残胃癌 / プロモーション / 胆汁酸 / ornithine decarboxylase / MNNG / 実験胃癌 |
研究概要 |
残胃癌の発生を促進する要因について検討し以下の結果を得た。 1.残胃癌の発生を促進する要因を検索する手段として、ラット腺胃粘膜のornithine decarboxylase(ODC)活性の測定法を確立した。 2.胆汁酸がラット腺胃粘膜にODC活性を誘導することを明らかにした。 1)Na taurocholateをラット胃にsingle instillationしたところ、腺胃粘膜にODC活性が誘導された。Na taurocholateは1.75g/Kg体重投与で最高のODC活性を誘導し、また、投与4〜6時間後に最も強い活性が認められた。 2)Na taurodeoxycholate,Na taurochenodeoxycholateも同様にラット腺胃にODC活性を誘導した。 3)ODC活性は腺胃幽門部に最も強く誘導され、続いて体部、前胃の順であった。 3.ラット残胃に胆汁酸を後投与し、胆汁酸が残胃腫瘍の発生を促進することを明らかにした。 1)ラットを4群に分け、I群にはMNNG(83μg/ml)を15週間投与し、16週目に胃切除(十二指腸液の逆流ないしRoux en Y法)を行い、II群にはMNNG投与後胃切除を行い、さらに0.25%Na taurocholate含有飼料を与え、III群には胃切除後胆汁酸を与え、IV群にはMNNGのみを投与した。 2)ラット腺胃での腫瘍の発生頻度は、I群6/22(27.3%)、II群9/22(40.8%)で、III群0/22(0%)、IV群では残胃相当部で2/24(8.3%)であり、II群とIV群の残胃相当部との間に有意差(p<0.05)がみられた。すなわち、胆汁酸の経口投与は、十二指腸内容逆流のない残胃の腫瘍発生を促進した。 以上の結果から、胆汁酸は残胃癌の発生を促進する一要因と考えられた。
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