研究課題/領域番号 |
59480304
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
西本 詮 岡山大学, 医学部, 教授 (50032850)
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研究分担者 |
松海 信彦 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
田宮 隆 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
寺山 英二 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
松本 健五 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (10190521)
古田 知久 岡山大学, 医学部, 助手 (30181457)
守山 英二 岡山大学, 医学部附属病院, 医員
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1985年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1984年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 温熱療法 / 区別低体温療法 / マイクロウェーブアンテナ / 悪性脳腫瘍 / 温度分布 / 局所脳血流量 / 血流動態 |
研究概要 |
ヒト悪性脳腫瘍に対して区別低体温法を臨床応用すべく研究を行ってきたが、マイクロウェーブ外照射では加温深達度、正確な加温域の設定等に限界があることが判明したため、より正確な加温を行うことを目的として組織内照射型マイクロウェーブアンテナを用いた基礎研究を行った。 全身低体温処置下(30℃)で、一本のアンテナをサル正常脳内に2cm刺入した場合の加温パターンは,アンテナの周囲半径約2cm、脳表より深さ3cmまでの範囲が37℃以上となり、治療効果が期待できた。このアンテナの問題点として出力を揚げた場合、アンテナ表面が50℃以上の高温となるため、近接する脳組織が凝固、壊死、出血をきたすことがあげられる。この過熱を防ぐため、外径5mmのシリコンチューブからなるアンテナ冷却システムを開発し、このシステムを用いて加温効果を正常体温下において検討した。このシステムのチューブ内に冷水を潅流することにより周囲の脳組織が冷却され、周囲半径1cmまでの範囲が42〜44℃程度の比較的均一な加温が可能となった。 次に、区別低体温処置下でサル正常脳の加温前後の局所脳血流量(1-CBF)を測定した。大脳白質の1-CBFは、加温前には18.7±9.8ml/100g・brain/minであったが、脳温が30℃に上昇すると約2倍に増加した。この選択的な血流増加は抗癌剤を併用した場合、大量の薬剤が正常温に保たれた腫瘍組織に移行すると考えられ、有利に働くと考えられた。 今後は脳内留置による反復加温可能なアンテナ及びアンテナガイドの開発、さらに正常脳組織の温熱に対する変化を病理組織学的に観察し、耐容限界の検討を目指して研究を行う予定である。
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