研究課題/領域番号 |
59480328
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大井 好忠 鹿大, 医学部, 教授 (10041394)
|
研究分担者 |
米澤 傑 鹿児島大学, 医学部, 講師 (10175002)
陳 英輝 鹿児島大学, 医学部, 助手 (80179960)
柿木 敏明 鹿児島大学, 医学部, 助手 (50128419)
後藤 俊弘 鹿児島大学, 医学部, 講師 (50128427)
坂本 日朗 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (00094144)
|
研究期間 (年度) |
1984 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1986年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1985年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1984年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | 実験的腎盂腎炎 / ヒト腎盂腎炎 / 実験的副睾丸炎 / レクチン染色 / D-gal-β-(1→3)GalNAc / P-fimbriae |
研究概要 |
正常腎のネフロン各部のレクチン染色性,つまり複合糖質分布はラット,家兎またはヒトで異なり、種差があることが判明した。しかし同一動物種では、腎盂腎炎または尿管狭窄による水腎性変化が発症した場合にも、ネフロン各部の染色性は正常腎と同一所見を示した。家兎実験的腎盂腎炎におけるDBA,PNA染色所見から、慢性腎盂腎炎でみられる甲状腺様構造を構成する管腔は、主として髄貭外層部の集合管ならびにヘンレ上行脚であると結論づけられた。ヒト腎盂腎炎でもLTA,DBA等の染色所見から甲状腺様構造は遠位尿細管由来であり、近位尿細管由来でないことを明白にした。 家兎では尿管結紮後3時間以降で正常腎ではPNA染色陰性であったヘンレ上行脚にPNA陽性所見がみとめられた。これはPNAに特異的なD-galactose β(1→3)N-acetyl-galactosamine[D-gal-β(1→3)GalNAC]がこの部位に出現しreceptorとなり得ることを示す。24時間後の腎盂腎炎家兎にもの変化はみられた。3,6時間管結紮後に菌液を注入しても腎盂腎炎は成立し、receptorの出現が腎盂腎炎成立に関与することを裏づけた。尿路感染症由来大腸菌153株の線毛を検索した結果、急性膀胱炎・前立腺炎由来株のP-fimbriaeの保有率は高かった。しかし赤血球凝集価,hemolysin産生能とは必ずしも相関しなかった。感染成立に必要な細菌の尿路上皮への接着性と病原性とは別に考えるべき問題であろう。 家兎では精管結紮後に経精管性に接種した細菌により副睾丸(精巣上体)炎が発症した。精管を3,6,24時間結紮し、結紮を解除した状態でも感染は成立した。従って精管結紮に基因した副睾丸管の鞭毛障害ならびに副睾丸管・精管の戯動運動の障害が副睾丸炎成立の要因と考えられた。ラットでは精管・副睾丸管の内圧上昇ならびに尿による組織障害が要因と考えられたが、糖組織化学的変化はみられなかった。
|