研究課題/領域番号 |
59480334
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
工藤 尚文 岡山大学, 医学部, 助教授 (90127556)
|
研究分担者 |
鵜飼 史貴 岡山大学, 医学部附属病院, 医員
川田 昭徳 岡山大学, 医学部附属病院, 医員
岸本 廉夫 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (30186217)
UKAI Fumitaka research fellow, Okayama University Medical School
KAWADA Akinori research fellow, Okayama University Medical School
|
研究期間 (年度) |
1984 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1984年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
|
キーワード | 胎児低酸素症 / 胎児血液カテコラミン / 胎児血液ガス / 座位分娩 / 羊水カテコラミン / 羊水ドパミン / 卵膜MAO / 脳組織カテコラミン / 脳組織ATP / 新生児適応 / 胎児血中カテコラミン / 羊水中カテコラミン / 新生児尿中カテコラミン / 羊水中ドパミン / 無酸素性脳症 / 脳エネルギー代謝 |
研究概要 |
I.臨床研究〔A〕正常分娩例の母体血、胎児血、羊水、胎児尿、新生児尿におけるcatecholamine(CA)の動態を検討することにより、胎児CA環境は母体とは独立したものであり、特に分娩第2期に認められる胎児CAの増加は自己防御機構の反映として把握する事ができた。〔B〕座位分娩は自然に近い分娩法として評価されているが、胎児血液ガス分析およびCA分画測定により、仰臥位分娩に比較して胎児にはストレスの少ない分娩法である事が明らかになった。〔C〕臨床的に胎児ストレスが認められた異常分娩における胎児CA動態と正常胎児のそれとを比較することにより、胎児ストレスではCA系の異常高値が認められた。分娩中の胎児から血液採取が困難な現時点では、羊水中CA系物質の測定によって、ストレスの評価が可能である事をしめした。〔D〕羊水中CAのうち、特異的に高値を示すdopamine(DA)に注目し、その産生部位は胎児腎である事および高濃度DAを生物学的に不活性化する酵素monoamine oxydaseが卵膜に豊富に存在する事を証明した。 II.基礎的研究 胎児低酸素症の結果として問題となる中枢神経障害の原因を解明すべく、ラット胎仔を用いて次の実験を行なった。〔A〕正常胎仔脳組織中のCA分画、ATP/ADP/AMP,glucose,乳酸などの測定を行ない、これを対照群とした。〔B〕胎仔に急性の低酸素状態を負荷し、これら生化学的測定値を比較した結果、ATP,glucoseは減少し乳酸量は増加した。脳組織のCAは減少したが、視床下部CAの減少は軽微であり、視床下部は低酸素症による侵襲から保護される機構が存在するものと思われた。〔C〕低酸素状態の負荷前に経母体的にglucoseを投与すると、胎仔脳のATP,glucoseの減少は軽微であり、臨床的に胎児低酸素症に対するglucoseの予防的効果が窺われた。
|