研究課題/領域番号 |
59480355
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
窪田 金次郎 医科歯科大, 歯学部, 教授 (00013805)
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研究分担者 |
長江 一樹 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (20172497)
柴内 俊次 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (90014018)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1985年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1984年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 軟咀嚼 / 咬筋筋紡錘 / 知覚神経終末 / 粉末飼育 / 錘内筋繊維萎縮 / 内包 / 基底膜ヒダ形成 / MASSTERIC NERVE / HRP-LABELING / FACIAL MOTONEURON / TRIGEMINAL MOTONEURON / MUSCLE SPINDLE / ATROPHY |
研究概要 |
哺乳動物は全て吸啜運動から咀嚼運動へと移行していく。これに関して、吸啜・咀嚼運動に関わる支配神経ニューロンにおける発育の時間差があるのか、また、これらの運動に関わる末梢効果器における発育の時間差があるものか、吸啜から咀嚼への移行のメカニズムはまだ明らかにされていない。そこで、上述の課題を解明するために、次の方法によってマウスを材料として解析を行った。1)咬筋と口輪筋の支配神経ニューロン間の発育差の有無の電子顕微鏡的検索。2)咬筋と口輪筋の支配神経ニューロン間の発育差の有無のHRP法による光学顕微鏡的検索。3)離乳後の粉末飼育の咬筋への影響の電子顕微鏡的検索。このうち、1)と2)についての検索は主として第1年度と第2年度に行い、本年度は3)について特に詳細に検討した。 離乳からマウスを一定期間粒子の細かい粉末飼料によって飼育し、咀嚼筋特に、咬筋への影響を筋紡錘を指標にして電子顕微鏡的にその形態的変化を固形飼料飼育動物と比較しながら検索した。それぞれ生後1年齢の咬筋筋紡錘を調べた。固形食例では、一本一本の錘内筋繊維はスムーズな輪郭を示し、独立した内包に包まれているのに、粉末食例の筋紡錘では、2-3本の錘内繊維が共通の狭い内包に包まれている。錘内筋繊維の外形は不規則な波状の凹凸の輪郭を示し、筋繊維の基底膜は顕著なヒダ状形成を起こしている。神経終末には構造的異常所見はみられないが、筋形質の萎縮にともなって終末は固形食例に比べて盛り上がり、異様な外観を呈している。以上の所見から、離乳から粉末飼料で長期間飼育したマウスでは、咬筋の筋紡錘は固形食を食べさせていたマウスに比べて、充分な発達を遂げないまま早く老化していくことが示唆された。現代の食生活文化のなかで、軟らかい食べ物が出回わり、発育期の子供達は軟らかい食物を好む風潮がある。この軟食の影響で顎の発育が悪くなることが心配される。
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