研究課題/領域番号 |
59480391
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
下里 常弘 広島大, 歯学部, 教授 (80028745)
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研究分担者 |
田中 浩二 広島大学, 歯学部(昭和61年度), 助手 (90179747)
奥井 寛 広島大学, 歯学部附属病院(昭和61年度), 講師 (20034225)
長畑 光 広島大学, 歯学部(昭和59.60年度), 助手 (90034256)
三次 正春 広島大学, 歯学部(昭和59.60年度), 助手 (60127719)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1986年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1985年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1984年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 細胞診 / 顕微分光測光法 / 放射線療法 / 化学療法 |
研究概要 |
口腔領域悪性腫瘍の放射線療法(RTと略記)や化学療法(ChTと略記)に対する客観的治療効果を判定するために顕微分光測光法による半自動細胞分析システムを応用した。1.58例のフィールドテストの結果、その正診率は本システムで算出した平均DS(DiscriminantScore)とMGD(Malignant Generalized Distance)から求めると、良性疾患は3/5(60.0%)、悪性疾患は45/53(84.9%)であり、MGDのみから求めると、それぞれ3/5(60.0%)、50/53(94.3%)であった。2.RT時の細胞解析では、照射線量の増加に伴う測定パラメーターの変化としては、DNA平均密度、核DNA量や有効核面積は10Gy照射時に軽度増加した後減少する傾向があり、その後は正常細胞のパラメータ値に近づくパターンの症例が多かった。平均DS、MGDもこれらに対応して10Gy程度の線量時に一度ピークを示して正常細胞の平均DS、MGDに近づいていた。この所見よりRT効果判定のためには、DNA平均密度、核DNA量や有効核面積の変化と、本システムで算出した平均DSの変動パターンを追跡し、どのように正常細胞のパラメーターに近づくか、また平均DS値がプラス域で大きく、MGD値がより0に近くなるかを検討することが有用であると考えられた。またヌードマウス可移植性ヒト唾液腺腫瘍に対して、より有効なChTを見つけ出すための基礎実験として、本システムによる核DNA量変化と【^3H】thymidineオートラジオグラフィー法による細胞動態の各種パラメーター変化を追跡し、さらに抗癌剤(VCR)投与による組織あるいは細胞への経日的障害程度、および、障害からの回復過程を検索した。その結果、たとえ一過性の感受性を認めても2〜3週間後には既に細胞動態学的にも再増殖を開始していることが測定パラメーター上の変化としてもうかがえた。以上のことより、本システムを使用したRTやChTの効果判定は客観的判断のために有用であることが判明した。
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