研究課題/領域番号 |
59480421
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 国立衛生試験所 |
研究代表者 |
大森 義仁 国立衛生試, その他, 研究員 (50079307)
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研究分担者 |
福原 守雄 国立公衆衛生院, 衛生薬学部, 室長 (40083745)
藤森 観之助 国立衛生試験所安全性生物試験研究センター, 薬理部, 室長 (60124393)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1986年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1985年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1984年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 胎仔肝 / チトクロームP-450 / チトクローム【b_5】 / 再生肝 / 薬物代謝酵素 |
研究概要 |
本研究は胎児肝における薬物代謝能の特性を明らかにすることにより、妊娠母体に投与される薬物や、母体を通して入ってくる化学物質の胎児への薬効評価や、副作用・毒性の予測を行う為の基礎データを得ることを目的として行われた。この為にラット胎仔肝におけるチトクロームP-450(P-450)柔薬物酸化酵素の特性を調べ、更に同じように増殖が激しく、薬物代謝能の低下している再生肝と比較することにより胎仔肝におけるその制御機構を解明することを試みた。ラット胎仔肝におけるP-450の系酵素活性は非常に少ないが、妊娠後期より出産直前の時期に急激に上昇していた。またその特性としては、【b_5】の存在量がP-450に比較して異常に高いこと、薬物酸化に際して【b_5】及びcyt・【b_5】reductareの関与度、NAbHのNADpHに対する相乗効果などが高まつていることがあげられる。胎仔肝におけるP-450分子種に関しては、誘導剤によって母体や成熟動物の肝に誘導される分子種と異なる性質のものが誘導されることが示唆されたので、現在その分子種の精製を試みている。一方ラット再生肝においては、肝部分切除後4日目までの細胞増殖期に、P-450及びその関連酵素系の活性が減少しており、【b_5】のP-450に対する相対的な存在量もわずかに増加していた。薬物酸化におけるNADHの寄与も増大傾向にあった。3日目の再生肝より、P-450分子種を分離精製したところ、3種の主要分子種とその他の分子種が得られたが、主要成分に関しては、再生肝に特有に増減する分子種は認められなかった。これは再生肝におけるP-450の低下は、全般的なP-450の減少に起因することを示唆している。 以上より胎仔肝においては成熟動物肝や再生肝と異なる特性をもつ薬物代謝酵素系が存在することが示唆されたが、更にそのP-450分子種の精製と特性解析によって、ヒト胎児肝における薬物代謝能の特性を明らかにすることが今後望まれる。
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