研究課題/領域番号 |
59480445
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線生物学
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研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
坪内 進 福井医科大学, 医学部, 助教授 (70073137)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1986年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1985年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1984年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 晩発放射線組織障害 / 細胞再生 / 急性放射線細胞死 |
研究概要 |
[研究の目的]正常及び放射線照射後の各臓器組織の実質細胞と間質の細胞再生率を求め、人を含めた組織臓器の晩発性放射線障害の潜伏期と耐容線量について考察を行う。〔成果〕1.臓器を中心にして(1)膵管では末梢から基幹部の上皮が条件的細胞再生系ではなく、細胞再生系として位置付けられる。(2)腺房と膵島の細胞は従来通り条件的細胞再生系であることを確認した。 2.肝臓、腎臓では肝細胞は従来通り条件的細胞再生系であるが、胆管と細尿管細胞は細胞再生系として位置付けられることを確認した。1.2から膵、肝、腎等では細胞再生率から導管系の放射線障害が重要となることが示唆された。 3.肺臓は十分には検討できなかったが、末梢の気管支腺上皮は細胞再生系との感触を得た。間質の血管内皮細胞の解析は方法論的に十分検討ができず実質の検討が中心となった。これはまた細胞再生率がかなり低い血管内皮をあえて考慮しなくても、これまでの結果で判明した各組織臓器の実質細胞の比較的高い細胞再生率(特に導管系を中心にして)から十分に晩発性組織障害の説明ができる可能性が高まったことにもよる。 4.一方膵島を中心として細胞再生系からのみでは細胞の放射線障害が説明つかない系があることを明らかにした。この膵島を中心とした仕事は一面では当研究の最初の目的そのものを揺り動かすものであったが、細胞再生の考え方以外で放射線感受性を規定する要因を明らかにする重要な系と考え、3年目の重点課題として仕事を進めた。膵島では種々の阻害剤、基質の投与により、膜、タンパク合成、糖エネルギー代謝等々が細胞死発現に深く関与することを明らかにした。これに対して腸上皮、リンパ球等では全くまたは僅少しか関与しない。以上の結果は組織の放射線後障害は一つには細胞再生、今一つは細胞の代謝等の特有な内因的要因の両者から各々の組織で把握する重要性を示唆している。
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