研究課題/領域番号 |
59490007
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
狐崎 長琅 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (90025338)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1985年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1984年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | S波 / 地震波 / たわみ波 / ゆすり振源 / 検層 / 漂遊型S波検層 / 減衰 / Q値 |
研究概要 |
1.2振源式の漂遊型ゾンデシステムを試作した。これは2組の受振器を連結したゾンデの上下両端に各一組づつの振源を置き、上向きと下向きの2方向に伝わる波を観測できるようにしたものである。これにより、受振点位置や記録系固有の伝達特性の差を補償でき、減衰や速度の測定精度を向上できる。この2振源方式を主体に、減衰と速度精度の向上を目標として、波動理論、解析処理法、誤差の評価などについて、基礎的な研究をした。地層状態と減衰や速度との関連についても考察した。 2.2振源方式を80m深のボーリング孔中で試験した。同時に各種検層方式との比較を試みた。その結果次の事柄が知られた。 (1)2振源方式は、S波速度の測定精度向上に効果的であった。 (2)減衰については、当面の方式で精度が高いのは、Q<20においてである。Q〓30であったため、本実験地では各地層ごとのS波減衰の差異を系統的に明かにし得るほどの精度を出し得なかった。 (3)試作機はなお、振源特性の不そろい、ゾンデのねじれ、ケーブルの強度不足などの問題がある。 3.残部砂層での実験により、地下水面下でも、P波速度が水の音速よりもかなり低く、その減衰も著しく大きい所があることが知られた。S波については、速度・減衰とも異常はない。これは、砂層内の孔隙水中にごくわずかな気相が存在することによることを、Whiteのモデルにより論証した。 4.今後、2の(3)の如き欠点の解消をはからなければならない。減衰測定については、速度測定に比し本質的な制約がある。目的や場の状況に応じた測定方式の開発をはかるべきである。この点、3で発見された性質は、石油、天然ガス、地熱、石炭ガス、地震液状化との関連で注目される。この場合、PS同時検層方式が有効である。
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